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独立から遡ること4年前。
漆黒の髪と竜旗をたなびかせ、常に戦場の尖端を翔けた戦士がひとり、散った。 帝国の驍将と相討ったその男は英雄と讃えられ、後に続く黒竜の歴史を、永劫に照らし続けることとなる。 男の名は、イー・ユルガン。 ふたつ名は、「竜の戦士」── |
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神人と言霊人、双つの種族。
生まれるもの、滅びゆくもの、取り戻すもの、二度とこの手に取り戻せぬ、宿命。 友愛、偽愛、狂愛、嫉妬、血脈……ヒトは誰しも、逃れることはできない。 がんじがらめに縛られ、それでも逃れようと足掻き、叫ぶ。 その言葉を受け止めるのは、 果たして。 |
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憧れと拒絶と。
決して届かぬものに焦がれる心。 その果てに見出すものは、絶望とは限らない。 怖じず、恥じず、己が姿を正しく見つめたとき、必ず、道は開ける。 たとえそれが、誤った道であったとしても── すくなくとも、前へ。 歩いてゆける。 |
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無数のココロ、無数の運命。
時は全てを飲み込んで奔る。 流れに抗い、流れを割り、 流れを遡り…… 流れを永遠に変える力をもつ者たち。 その名は五傑。 開世の英雄たちのものがたり。 |