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脚本:ザラス「霊珠」第4話『永遠のザラス』第1稿
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例によって、用語や人称が不統一だったりしますが、物語部分は書けたんでupてしまいます。

2月中にあがった……!去年よりは早いけど予定よりは遅いよ!!
これをたたき台に、大急ぎでキャラデザ、絵コンテ、正しい脚本などあげていきましょー。

注! 思いっきりネタバレ含みますので、
アニメ作品だけ楽しみたい人は、読まないでください。

制作過程を楽しみたい人は、ぜひ、お読みください。↓




霊珠第4話「永遠のザラス」


人物

ガル(20)次期天務卿。術法の天才にして特務隊長…の、複製知性体。赤と青の霊珠を率いる。
炎務卿(52)アフネリア支軍統帥。霊珠計画の全貌を知る唯一の人間
トゥア(4)ガルの部下。赤の霊珠。人工知性体。炎の能力をもつ。
ルア(4)ガルの部下。青の霊珠。人工知性体。水と空間操作の能力をもつ。
ディク(0)炎務卿の部下。闇(重力)の霊珠。人工知性体の少女。
アーク(0)炎務卿の部下。光の霊珠。人工知性体の少年。
天務卿(41)ガルの父親。術法開発担当。ファーブを放ったことで投獄される
ファーブ(4)ヴィン=ヴィランのデータからつくられた複製知性体。
シーリィ(不詳)帝国のあらゆるミムの人格端末。謎の少女。
ミィン=ラアト(19)ガルの幼なじみ。
ラーン・ゴリウス(23)メール族代表の戦士。
ユード・ナティ(24)ツァン族代表の女戦士。
シェシェ(13)ゴリウスの妹。本名シェリカ。
ギズィー・リウナ(女)独立軍戦士。吟遊詩人で女剣士
イー・アクザン(17、男)竜の戦士の息子。竜の神官。独立軍湖西地区の形式的指導者
サド・ムラガ(37、男)独立軍戦士。もと竜の戦士の腹心で、アクザンの後見人

{その他}
ブロス=エクスタ(20、男)ガルの軍学校時代の友人。3話で死亡
カナ=エクスタ(当時16、女)前封務卿。ブロスの親。歌姫。
ラーン・アティウス(当時21、男)ゴリウスの兄。20年前のメール族代表の戦士。
キセラ=タウア 炎務卿の、亡くなった娘。
ウェフ=タウア 炎務卿の、亡くなった息子。
独立軍戦士たち



◆アバンタイトル

○シーン01 邦都スイモミスク。内部深くの牢。

 ピシャ、ピシャ、と床に落ちる水滴の音。
 水が漏っているわけではないが、スイモミスクの地下?部分なので、金属に結露して、それが滴っている。
 暗い牢の中、うずくまる天務卿。
 鉄格子の外、石の扉が開き、ゴゴゴ、と重々しい音とともに天務卿の背中の方から光さす。
 カツ、カツ、カツと炎務卿の足音。
 炎務卿の声反響する。詰問調で、
炎務卿「ファーブを何処へやった?」

 誰もいない邦都情報室のイメージカット。

 無言の天務卿、顔は蔭になっており表情窺えない。
 炎務卿、首を横に振り、
炎務卿「最後にひとつ、選ぶがよい。我に力を貸すか?それとも、ここで指をくわえて滅びを待つか」
 天務卿、うつむいたままうっすら笑い、
天務卿「あなたはいつもそうだ。選べるはずもないものを、私に」
 炎務卿、たまりかねて叫ぶ。
炎務卿「甘ったれるな、天務卿!」
 炎務卿、天務卿を侮蔑と悲しみのまなざしで見つめる。
炎務卿「もとより、我ら七家議にはひとりの父親であることは許されておらん。この期に及んでなお、己の名から逃げると言うか!」
 天務卿顔をそむけたままで、視線を合わせようとしない。
 炎務卿瞑目し、
炎務卿「ユオザ=イリル……」
 静かに、天務卿の名をつぶやく。天務卿はっとし、初めて、炎務卿の顔を見る。
 炎務卿、唇をゆがめてかすかに笑い。
炎務卿「……さらばだ」
 言うなり、きびすを返す。どーんと、重い不吉な音とともに扉が閉まる。
 牢、闇に閉ざされる。

○シーン02 ガルの居る村近くの転送門出口。

 どこかの門の出口から、こっそり出てくるファーブ。
 手を開くと、霊珠の鍵、キラーンと光る。
 ファーブ、鍵をぎゅっと握りしめ、顔をあげ、走り出す。




◆OP



◆Aパート


○シーン03 ナーラダの村の家の中。

 風が吹き、すだれ?なびく。
 ぴくっと動く、ガルの手。
 にじむ視界動き、明るい方へと移動。
 窓枠に誰か座っている。
ブロス「気がついたか、ガル?」
 ブロスの優しい声と、シルエット。
ガル「……ブロス……?」
 しかし次の瞬間、ゴリウスに。
ガル「あ……」
 失望の表情をするガル。
 ゴリウス、嫌そうな顔をするが、すぐ普通の表情に戻って、
ゴリウス「女は、ナティと一緒に出たぞ。当分戻らん」
 と言いつつ、剣の柄をしっかり握ったまま離さず、警戒しているゴリウス。
 ガルの方は、いまいち状況がのみこめていない。
ガル「ここは何処だ? 何故俺が蛮族の……」
 ガル、胸元の服地を掴む。翅生の上から神人の服を着ている。ゴリウス首をかしげ、
ゴリウス「お前の女が助けてくれって言うから引き取ったんだが? 文句あるなら帰れ」
ガル「助ける……?俺を?……はっ」

 3話の回想。
 倒れるブロス、ガルを見上げて何か言っている。目をみはるガル。がくりと息絶える、ブロス。
 消えていくルアとトゥア、転がる霊珠原形。
 入れ替わるように、榻の脇の机におかれた霊珠原形の現在の映像に。

ガル「そうだ……俺は、ブロスを……っ!」
 苦悩の表情でうつむき、唇を噛むガル。
 ゴリウス、つまらなそうに。
ゴリウス「最初のときも間違えたな」
 2話、月をバックにゴリウスのシルエット、「ブロス!」と叫ぶガル、の回想。
ゴリウス「そんなに似てるか」
 ガル、顔をそむけながら。
ガル「親友だった……」
 ふと、思い出して、
ガル「……半蛮族、という噂もあった」
 ゴリウス、首をかしげて、
ゴリウス「半蛮族。片親は神人(ホルス)ってか?ん?待てよ……」
 ゴリウス、ニヤリとして。
ゴリウス「母親は、青の歌姫か?」
 3話の、アティとカナのカット挿入。
ガル「前封務卿だ。何故知っている?」
 ゴリウス、はじけるように笑い出す。
ゴリウス「あっはっは……そうだったのか!似てるはずだ。そいつぁ、俺の兄貴のガキだ!あはははは」
ガル「は!?」
ゴリウス「こいつは傑作だ!やるじゃねえか兄貴!あはははは!」
ガル「……」
 ガルには何がおもしろいのかさっぱりわからないので、困った顔をする。
 ガル、机上にあった軍章に気がつく。軍章を手に取り、投げあげ、手で受け止めて、ゴリウスに差し出す。
 ゴリウス笑いをおさめ、ん?と首をかしげて。
ゴリウス「なんだ。酒か、女か?」
ガル「……え?」
ゴリウス「どっちを賭けるんだ?」
 ガル、首を横に振り、軍章を引っ込めてつぶやく。
ガル「やっぱり、ブロスじゃないんだな……」

○シーン04 ナーラダの村付近の温泉(全年齢対象)

 たぷん、と水音、木々の間をたちこめる湯気。
リウナ「ぁー、極楽。ナーラダの生み出した贅沢の極みよね~」
 と、髪を頭の上にまとめて、その上に手拭いを載せたリウナ。行儀悪く、湯の上に突き出した、白い足。
シェシェ「えー?メールにもありますよ?温泉」
 髪をほどいているシェシェ。きょとんと、リウナのほうを見る。
 そこへ、ずずんと迫り来る、ナティの胸。
 左胸、乳房が切り取られていて、えぐったような傷跡がある。傷跡の形は、翼を広げたよう。その傷跡が、ナティの二つ名の由来。
リウナ「……"鷹の羽"、なるほどね」
 初めて見たリウナは、感心したようにつぶやく。
 ナティはリウナは気にせず、岸に上がり、ミィンの服をはぎとりはじめる。
ナティ「あなたも入りなさい」
ミィン「何するんですかっ!」
 ミィン、じたばた逃げようとするが、翅生以外の服をはぎとられる。
ナティ「何って、お風呂。……脱げないわね、これ」
リウナ「イシスにはお湯につかる習慣はないのよね?」
 リウナが口をはさむ。シェシェ、首を傾げて、
シェシェ「じゃあ、どうやって身体洗うんですか?」
ミィン「ペーレに入らないと、翅生は外れないの」
 ペーレのイメージ映像。イシスが身体を横たえる。液体で満たされると、翅生は溶けて消えていく。
ミィン「私たちイシスは、この翅生を通して世界からマナを摂取するわ。排泄も、肌から翅生へ。
 私は純血のイシスだから、食物を口にしなくて生きていける。そのかわり、ペーレに入らないとだめなの」
リウナ「ふうん。イシスって、面倒なのねぇ」
 シェシェ、気づいて、はっとする。
シェシェ「てことは……このままだと、ミィンさん……」
ミィン「死ぬわね」
 ミィンはあっさりと言う。リウナ、ナティ、顔を見合わせる。
 ナティ、眉をひそめて。
ナティ「敵の心配するのも、おかしな話だけど。あなただけでも、戻った方が」
ミィン「私はいいの」
 ミィンはにっこりとほほえんで言う。
ミィン「世界はどうせ、滅びるの。だから、ガルと一緒にいるの」

○シーン05 アシュラ・ミム[シーリィ]

 うす赤い空間。炎のような効果、チラチラと揺れる。
 突っ立った炎務(の精神体)、目を開ける。正面にはじめから居る、赤のシーリィ。
 分岐ゲートとか操作パネルといったものは何も出ない。炎務卿、不審げに、
炎務卿「問わぬのか、“霊珠0(ゼロ)”……『お前は何者であるのか』──と」
 シーリィは無表情に、
シーリィ「必要ありません」
炎務卿「ぬ」
 炎務卿、首をかしげる。
シーリィ「あなたは、帝国を守る者」
炎務卿「うむ。そうだ」
 炎務卿頷く。
シーリィ「望むのは、帝国を守る力」
炎務卿「うむ」
シーリィ「ほんとうの、願いは……」
 言いながら、両手を大きく広げるシーリィ。
炎務卿「はっ」
 炎務卿、目を見開く。シーリィの左右に1体ずつ、ウィイイイン、みたいな効果音とともに現れるキセラ(娘)とウェフ(息子)の映像。
 キセラの映像は炎務卿に笑いかけながら、
キセラ「父上」
 ウェフの映像は顔をそむけながら。
ウェフ「……」
 炎務卿、表情を崩し、
炎務卿「我が霊珠は、やはりお前たちか……」
 おもむろにキセラの映像の胸のあたりに手をつっこみ、
炎務卿「ディク!」
 同様に、ウェフの映像に手をつっこみ、
炎務卿「アーク!」
 炎務卿、珠をとりだす。ディク(左手)が黒、アーク(右手)が白。炎務卿、自嘲の笑みをうかべて。
炎務卿「お前達に渡すはずだった、これが……未来だ」

○シーン06 ナーラダの村の家の中。

 ファーブ、ガルの居る神人の家の、扉を開ける。
 と同時に、室内と背後から同時に突きつけられる剣、5本ほど。
 ファーブ、静かに手をあげ、害意のないことを示す。
 正面にいるのは、ゴリウス。剣をつきつけたまま、
ゴリウス「何の用だ」
 ファーブ動じず、
ファーブ「渡すものがある。あなたがたにも、悪いようにはならない」
ゴリウス「お前、何モンだ?軍人って風体じゃねぇが」
ファーブ「霊珠です」
 ゴリウス、はっとする。他の戦士達も、どよめき。
 ファーブの視線移動、ガルを見る。ガルも、驚きのまなざしで、見返す。
ガル「霊珠……?他にも、居たのか」
 ゴリウスの合図で、他の戦士達は剣をおろす。ゴリウスだけファーブのうしろから剣をつきつけたまま。
 ファーブ、ガルのほうへ歩く。
 ガルは以前ヴィンに会ったことがある。視線を宙にやって記憶をたどり、
ガル「君はたしか……ヴィン=ヴィラン? 亡くなったはずじゃ……」
ファーブ「いいえ。私はファーブ。ヴィンの複製にすぎません。……さあ、これを」
 ファーブ、鍵を取り出し、ガルの手に置く。
ファーブ「天務卿が、あなたへと」
ガル「父上が……?なぜ」

 ファーブ、目を閉じ、回想。

ファーブ「天務卿! 私は……っ、私はヴィンではない。それは……彼も同じだ!」
 天務卿、目を大きく見開く。ファーブ、続ける。
ファーブ「だから、彼を救っても、あなたは何も得られない。
 少しの間、苦しみから逃れるために国を売り、民を放り出して……」
天務卿「ヴィン君!」
ファーブ「すべてと引き換えにあなたを守ったヴィンの想いも、裏切ろうとしてる
  ……それでも、届けろと?」
 天務卿、しばしうつむくが、やがて、目をそらしたまま、
天務卿「……頼む、ヴィン君」
 と、つぶやく。

 回想終了。ファーブ、目を開け、
ファーブ「特務隊長、この、鍵は……」
 と言ったところで、どーんという音。
 村はずれの家が爆発炎上。ディクの攻撃による。
 騒然とする戦士達。
 ゴリウス、ファーブに突きつけた剣を持ち上げる。
ゴリウス「てめぇ……謀ったか!」
 ゴリウス叫ぶが、ファーブ首を横に振り、ガルを見つめて。
ファーブ「あなたへの追っ手です。急ぎましょう」

○シーン07 ナーラダの村付近。

 崩壊、炎上する建物。その中から舞うように走り出る、ディク。
 手をひらめかせると、衝撃波(重力波)が走り、家とか壁とかいろいろ、押しつぶされるように吹っ飛ぶ。
 ディク、中央の広場のようなところで、凛然と身体を起こし、叫ぶ。
ディク「早く出てきなさい、恥知らずの裏切り者!でないと……」
 手をかざし、広場中央の井戸を吹っ飛ばす。
ディク「……この村ごと、轢き殺すわよ」

     × × ×
 シーン06の家から出て、大きな岩山のかげに身を潜めているガル、ファーブ、ゴリウス、戦士数人。
 ガルは2話ででてきたのと同じ金色の光の網を展開。ファーブはその中に一緒に入って鍵の解析をしている。
 ゴリウス、戦士達、外の様子をうかがいながら。
ゴリウス「霊珠、なのか?女だぞ」
戦士A「村人が戻ってなくてよかったなぁ。あれを見て俺たちに協力する奴ぁいねぇ」
戦士B「どうする?まるで全身兵器だ。剣や槍では、とても太刀打ちできん」
 ファーブ、チラと戦士Bを見、すぐ手元の鍵に視線を戻す。鍵、繊維状にキラキラと光る筋が浮き、半分ぐらい溶けている。
ガル「霊珠に対抗できるのは霊珠だけだ。もう少し……」
 と言ったとき、光の網の正面の部分がモニタ状になって、OK表示が出る。
 光の網が消え、かわりにガルの両手に黄金色の光集まる。
 ファーブ、鍵の残骸を投げあげると、紫色の光になり、地面に置いてある霊珠原形に吸い込まれる。
ガル「復活!トゥア!ルア!」
 叫ぶと、霊珠原形発光し、溶けるように人形に。
 ルア、トゥア、びっくりしたように自分の身体を見る。トゥア、ガルをみて涙をうかべ、
トゥア「隊長っ……また、会えた……!」
 走り寄って抱きつく。ガル、笑ってトゥアの頭に手を置く。
 その瞬間、ぱっとまぶしい光がその場をつつむ。
 皆手をあげて光を遮り、光源のほうに目をやる。
 白い光の中から現れる、アーク。
アーク「……見つけた」
 言葉と共に、白い光の矢が無数に襲いかかる。
ルア「防壁っ!」←技名考える
 ルアの防壁でアークの光の矢すべて防がれる。(まだ、アークが本気じゃないので防げる)
 そのあいだに全速力で逃げ出す、ゴリウスと独立軍戦士たち。ファーブ、彼らを先導して去る。
 ガル、トゥア、ルアのみその場に残る。ガル、ルアとトゥアを見やって。
ガル「話したいことはいろいろあるが……」
 ディク、アーク、揃ってこちらを見据える。
ガル「……先に、倒さなくちゃ、いけないみたいだな」

     × × ×
ディク「はじめまして、お兄様たち。そして──さようなら」
 ディク、マントの端をつかんで、あおるようにひるがえす。大きな衝撃波が岩山をおしつぶし、
 ディク自身とアークを除く全員が吹っ飛び、地面にたたきつけられる。
 ガル、身体を起こしながらつぶやく。
ガル「……ずいぶん丁重な挨拶だな……」
 そこへアークの光の矢が襲来する。
ルア「させるか!」
 防壁を築くが、いくつか貫通。ガル、転がってかわす。
 トゥア、アークに向かって砲撃する。
ガル「一体、誰の霊珠なんだ」
ディク「炎務卿」
 ディクはあっさり答える。
ディク「あの方は、ただ平和な世界が欲しいだけ。なのに、邪魔をするから。だからみんな──」
 ディク、大きく目を見開いて、にっこり笑う。
ディク「壊してさしあげる!」
 ディク、マントを広げ、風を受けるようにたわんだ中に、先刻のより大きな闇の球。
 それをみて、ルア、双剣を抜いて飛びかかる。
 ディク、闇球は放つのをやめ、鞭状の武器に変形させて応戦する。
 トゥアも足の刃を出し、アークに白兵戦を挑む。
炎務卿「ガル君」
 力強い、炎務卿の声が響く。ガル、はじかれるようにそちらを見る。
 歩み寄る、炎務卿。
炎務卿「久しいな。いや、初めまして……か」



◆Bパート


     × × ×
 激しくぶつかり合う白と黒と、青と赤の光とびかう。空をバックに、炎務とガル。
ガル「炎務卿……」
炎務卿「本人と話したかったのだがな。君でもよい。今となっては、どうせ叶わぬ」
ガル「よく、わかりません」
 ガル、空を見上げる。怒りをあらわに立ち回るディク、応戦するルア、トゥア。表情を変えず矢継ぎ早に攻撃を放つ、アーク。
ガル「何故、こんなことになったんでしょう。俺は……」

 1話で炎務の話を聞くガル。
 目覚める霊珠。
 2話でブロスとの会話。
 シェシェを見逃す。
 3話、ブロスの霊珠に驚くガル。

ガル「帝国を裏切るつもりなんて、一度もなかった。なのに何故、こんな」
 炎務卿ため息をついて、
炎務卿「わからんだろうな。無理もない」

 1話、「あの事件」のイメージ。

炎務卿「あのとき記憶を失った君は、判断のよるべき筋をもたない。刹那の感情の積み重ねが、今の事態だ。……それは、他の霊珠にも言える」
 炎務卿、剣の柄に手をかけ、
炎務卿「我々のあやまちだ──だからこの手で、君を討つ」
 炎務卿、剣を抜く。ガル、怯む。1歩、2歩とさがって、叫ぶ。
ガル「あなたに向ける剣など……持ち合わせていない!」
炎務卿「ならば、霊珠を呼びたまえ」
 炎務卿、ふいに表情をゆるめ。
炎務卿「本当の望みは、彼らが知っている」

     × × ×
トゥア「隊長!」
ルア「隊長殿!」
 ほとんど同時に叫ぶ二人。
 ルア、ガルのもとに戻ろうとするが、アークが回り込んで剣刃をうけとめ、防がれる。
 トゥアがガルの元へ降下しつつ、炎務卿に砲を向けると、ディク、激しく動揺する。
ディク「待ちなさいっ!!」
 闇球を煙幕に変え、トゥアの視界をさえぎる。
トゥア「ああっ!」
 あわてて煙幕を避ける間に、ディク、炎務卿のもとへ。

 立ちすくんだまま、動けないガル。
 ガルの傍らで、炎務卿に狙いをつけているトゥア。
 ガルに剣を向けているが、その前にディクが割り込んだため動けない炎務卿。
 炎務卿をトゥアの砲撃から庇う位置で、手を広げて立つ、ディク。

炎務卿「どきたまえ、ディク。動けんではないか」
ディク「いいえ。私が動いたら、赤の霊珠が撃ちます」
ガル「炎務卿……もう、やめましょう」
 ガル、疲れた表情で言う。
ガル「我々が争う理由なんか、ない。……トゥア」
 砲撃をやめさせようとトゥアを見るが、トゥアは、じっと炎務卿を見つめ、いつでも撃てる体勢をキープ。
 炎務卿、笑う。
炎務卿「君を討つか、君に討たれるか。どちらかしかありえんのだよ。それが、けじめというものだ。……ディク」
ディク「嫌ああっ!」
 ディク叫び、そのままの位置でトゥアに向けて闇球を放つ。トゥアも炎球放ち、2つの力がぶつかりあう。
 ルア、あわてて舞い戻り、防壁を展開、ルア自身とガルとトゥアを覆う。
 アークは──あえて、空中から座視。
 闇球と炎球の反発作用で、ものすごい爆発が一帯を覆う。やがてそれが収まると、
 ガル、ルア、トゥアは爆発によるダメージはなし。
 ディク、アークもたいしたダメージ無し。
 炎務卿のみ、もろに爆発に巻き込まれてずたぼろ。どさっと、倒れる。
ガル「……炎務卿!!」
 ガル、駆け寄る。
ガル「どうしてこんな……」
ディク「アーク!」
 ディク、アークの首元をつかみ、くってかかる。
ディク「アークの光なら、防げたはずよ!どうして……っ!」
アーク「我々は、本当の願いを叶えるもの」
 ディク、はっとする。
 炎務卿、苦しい息の下から、つぶやく。
炎務卿「そうか。本当の願い、とは……」
 炎務卿、かすかに笑い、
炎務卿「ユオザを……天務卿を、笑えんな……」
ディク「そんな……お父様!!」
 ディク、泣き叫ぶ。炎務卿苦笑し、
炎務卿「こんな都合のよい家族がいるか。だが……美しい、夢だ……」
ガル「俺は……どうすればいい!?」
 ガル、頭を抱える。
ガル「俺が、討たれるべきだったのに……!」
炎務卿「彼女に……会え……」
ガル「彼女……?」
炎務卿「場所は……」
 ガル、炎務卿の口元に耳を寄せる。
 ティイセニラの最深部、と言っているが、ガルにだけ聞こえる。(セリフとしては、入れない)
ガル「……シーリィ……ですか?」
 炎務卿の答えはない。
 同時に、ディクとアーク原形に戻り、砕けて散る。

○シーン08 邦都スイモミスク。

 陥落後の邦都。
ゴリウス「これが、俺たちを支配してた帝国の都か? 頭を失うと、脆いもんだな……」
 ゴリウス、足早に歩いている。破壊された建物、生気を失った目で捕縛されている帝国兵や、座り込んでいる一般の言霊人を横目に見つつ、門のむこうへ。

 ゴリウス、牢の前に到達。扉越しに中を見ると、長髪の男がうずくまるように座っている。ゴリウスの足音にも無反応。
 ゴリウス、ガルを思い出す。(イメージ映像、かぶる)
ゴリウス「ガルと同じ髪だな……父親の、天務卿か」
 その瞬間、天務卿、ばっと身体ごと振り向き、すごい剣幕で叫ぶ。
天務卿「ガルを知っているのか……!?」
 がちゃ、と手枷鳴り、
天務卿「頼む、教えてくれ。ガルは、生きているのか」
 ゴリウス、不快そうに眉を寄せて。
ゴリウス「帝国のことはよく知らんが、七家議ってのはつまり、王族じゃねぇのか。敵将にまず聞くのが、裏切り者の息子の安否? どういう了見だ」
 天務卿、俯いて、
天務卿「……だから、私はここに居る」
 ゴリウス、首を横に振ってから、答える。
ゴリウス「ガルは、湖の底に行ったはずだ。霊珠を3人連れてな」
天務卿「……よかった」
ゴリウス「いいのかよ!」
 ゴリウスはあきれ果て、吐き捨てる。
ゴリウス「……なるほど。国が滅びるはずだ」

○シーン09 湖底都市ティイセニラ

 シーン08のゴリウス「ガルは、湖の底に~」のくだりから、映像はこちら。

 ティイセニラ柱塔に乗り込み、下っていくガルと霊珠たち。
 扉が開くと、最深部。光の幕を通り抜けると、ミムの中。白のシーリィが居る、神殿のような場所。
シーリィ「……あなたは、誰」
ガル「帝国軍特務隊長、ガル=イリル」
 ファーブ、気遣わしげに見上げる。シーリィ頷く。
シーリィ「認証しました」
 と言ったきり、沈黙。入力のない状態なので、何も言わない。
 ガル、沈黙に耐えかねて、口をひらく。
ガル「シーリィ……俺は、どうしたらいい」
シーリィ「質問の意図がわかりません。回答不可能です」
ガル「そうだよな……」
 ガル、ため息をつく。
ガル「帝国には戻れない。独立軍には世話になったけど、だからって帝国を滅ぼす決心もない。……もし、俺が霊珠だったら」
 ファーブ、はっとする。
ガル「ディクやアークみたいに、消えてなくなることもできたのかな……」
トゥア「僕は!」
 トゥア、ガルにしがみつく。
トゥア「僕は、隊長が居なくなるなんて嫌だ!」
ルア「私もです。……だから、私たちは」

 言いかけたところで、空間が赤く染まる。響く警告音。
ガル「ん?」
シーリィ「本国からの警告。避難勧告です。この島は、1日後には完全破壊されます」
ガル「何だ、それは。破壊って、何が起こる?」
シーリィ「霊珠百体を起動し、すべての帝国関連施設の破壊、蛮族の大都市百の破壊が、主な指示となっています」
ガル「そんな……。目的は?」
シーリィ「蛮族による、帝国の技術持ちだしの阻止および、支配権の分断が挙げられています」
ガル「そのために、アフネリアの民を皆殺しにするって言うのか?」
シーリィ「違います。起動前に、すべての民を国外へ避難させるよう、指示されています」
ガル「ばかな……!」
 ガルは唇をかむ。
ガル「アフネリアでは、功務卿はずっと空位だ。国外への門は、開かない。だいたい何で今」
 ファーブ、シーリィに手をかざす。
ファーブ「アフネリアの軍と特務の統帥は、炎務卿でした。彼が不慮の死を遂げた場合、帝国の支配権が失われたものとみなすよう、手配されていたのでは」
ガル「そんな……。じゃあ、俺のせいなのか」
 ファーブ、頷く。ガル、愕然とする。
ガル「俺は、帝国を裏切ろうと思ったことはない、だが現実は……俺のせいで、帝国は滅びるのか……!」
ファーブ「落ち着いてください」
 ファーブ、掌でのシーリィとの通信を開始する。(腕に光流れる)
ファーブ「炎務卿は何のために、あなたにシーリィに会えと言ったのでしょう」
ガル「手だてはある、と?そうなのか、シーリィ?」
シーリィ「何を目的にするかに、よります」
ガル「霊珠百体というのは、どこから来る? アフネリアではないな」
シーリィ「はい。主に本国で起動し、飛来します」
ガル「島に入るのを阻止できるか」
シーリィ「ひとつだけ、方法があります」
ガル「どうすれば?」
シーリィ「『海の結界』を、築いてください」

     × × ×
 ガルの術で光の屑が降り積もり、トゥア、ルア、ファーブの3体の安置される台をつくっていく。
 ファーブは周囲の海域を分析し、構築ポイントを列挙している。
 ルア、トゥアは静かにその時を待つ。かぶるように流れる、シーリィによる解説。

シーリィ「海の結界を築くためには、無限の演算装置と、霊力場発生のためのエネルギー源が必要です。
 霊珠を再構築し、人格部分を演算に振り分ければ、可能になるでしょう。島すべてを覆うには、3ないし4体分の出力が
 必要です──」

     × × ×
ファーブ「……準備が整いました。あとは、我々の問題だけです」
ガル「本国の動きは?」
シーリィ「こちらの情報は渡らないよう、保護をかけています。霊珠の出発はあと半刻ほど後のようです」
 ガル頷き、トゥア、ルア、ファーブを見つめる。
ガル「こんなことになってしまって、すまない。だが、お前達だけを犠牲には、させない」
トゥア「いいんです。僕らは、隊長のためにいるんだ。今度は、消えちゃう訳じゃない」
ルア「ええ。永遠に生き続けるのですから……」
 ファーブ、何か言いたげにガルを見るが、ひとり頷き、何も言わない。
ガル「はじめるぞ」
 ガル、両手を挙げ、例の黄金の光の網を展開。(2話op冒頭のかんじ?)
 まず、トゥア。人形が解かれ、言霊語のかけらになって散る。そののち、台の上に赤いゆらめく珠状のエネルギー体現れる。
 ルア、ファーブも同様。
 3つの珠が揃ったところで、ガル、光の網を解く。
ガル「俺も、お前達と一緒に、海の結界に……」
 静かに目を閉じ、大きく手を開く。
 しかし、トゥア、ルア、ファーブ達とまったく同じように、人形が解かれはじめたのに気づいて、あわてて目を開く。
ガル「……!!これは……どういうことだ!?」
 手の先、足の先から、言霊語のかけらと化していく自分の身体を見つめるガル。
 しかしやがて、納得して、笑う。
ガル「そうか……そうだったのか。あのとき……」

 2話Aパート、がくりと首を垂れ、息絶えるガル。
 2話Bパート、アンシュマット=ミムのなかで再構成される、ガルの身体。

ガル「俺も……霊珠だったんだな……」
 つぶやくと共に、身体完全に散り、金色のエネルギー体現れる。
 4つの霊珠、共鳴するように同時にゆらめき、まばゆい光放つ。

     × × ×
島の中央、湖から八方へ散って延びる、光。
島側から海のむこうへ、凄い勢いで走る光の帯。
海がふたつに割れ、その向こうにいる霊珠軍団吹っ飛ぶ。(精密描写はなしで、すごい爆発)

     × × ×
それを海岸から見ている、アクザンとミィン。
海岸にいるのは2人のみ。
ミィンは飢餓で瀕死。うっすら目を開けて横たわっている。
アクザンはミィンを支えながら、口をあんぐり開けて光のほうを見ている。

     × × ×
光は滝状になって平行に広がり、やがて見えなくなる。
カメラぐぐっと寄り、光のあったあたりに浮く大きな結界石。
その周囲で、線上に走る光の線。(海の結界、完成)
アクザン「すごい……誰が、こんな」
ミィン「……ガルだわ」
 アクザン、ミィンを見つめる。幻覚でも見たのかと、首をかしげる。
 ミィン、震える指で、空中を指さす。アクザン視線を追って、呆然とする。
 空に浮かぶガルの映像。ミィン、嬉しそうに笑う。
ミィン「来てくれたね、ガル……」
ガル「ミィン。思い出したよ。ずっと、待っててくれたんだな」
ミィン「ううん」
 ミィン、わずかに首を横に振る。
ミィン「私、ずっと夢を見てたの。ガルが、いつか迎えに来てくれる……」
 ミィン、そっと耳飾りに触れる。
ミィン「夢が覚めないように……私……」
 ミィン、おぼつかない手つきで、両耳の耳飾りを外す。髪の毛の緑が抜け、本来の金色の髪へ。
ミィン「ありがと、ガル……ありがと、霊珠……。私の本当の、願いを……」
アクザン「ミィンさん……ミィンさん!?」
 アクザン、身体を揺さぶるが、ミィン、息絶えている。
ガル「気づいてたのか、ミィンは……」
 ガル、うつむくが、アクザンに目をやり。
ガル「ミィンの亡骸を、頼む。そのかわり、君には……」




◆ED

シーリィの歌?と、1~4話のダイジェストと、字幕。



◆エピローグ

○シーン10 ナーガ大神殿。

 アクザン、新衣装(司祭服)
 ひっきりなしに訪れる信者たち。「竜の司祭!竜の司祭!」と礼拝する人々。
 棒立ちになって困っているアクザンに歩み寄るリウナ。
リウナ「お久しぶりね。この島を救った英雄にしては、不景気な顔」

 イメージ映像。
 アクザンが手を挙げると、ざざざっと海が割れて、結界石がピキーン☆、と、きらめく。
 光に包まれる、セルフィアー島。

アクザン「……ほんとに、僕なのかな」
 アクザン、首をかしげる。
アクザン「あんな力、僕には……」
 と、神殿奥からムラガが現れ、アクザンに一礼する。ムラガの服は、変わらず。
ムラガ「参りましょう、『竜の司祭』。演説のお時間です」
アクザン「あ、ああ……」
 ムラガに引かれるように、壇へ登る階段へと歩いていく、アクザン。

○シーン11 メール族の村・イリス。

 ゴリウスの故郷、海沿いの村、イリス。 
 普通の服(新衣装)のナティと、シェシェ、ゴリウス、二人の赤子(ナティとゴリウスの子)。
シェシェ「ナティさん、本当に、行っちゃうんですか?」
ナティ「帰るのよ、私が居るべき場所に」
 ナティ、シェシェに笑いかける。
ナティ「私はツァン族の戦士。役目は、一族を導くこと。帝国が亡くなったこれからが、本当の戦いよ」
 大人達から、二人の赤子のアップへと切り替わり、
ナティ「世界はよくできてるわ。ツァン族とメール族の双子。私と、この男と……一人ずつ分け合えってことね」
ゴリウス「まあ、そうだろうなぁ」
 照れたような微妙な表情をしつつ言う、ゴリウス。
 シェシェ、二人の会話に、憤激する。
シェシェ「そんな筈ない!お父さんとお母さんと兄妹……みんな一緒がいいに決まってます!仲が悪いわけでもないのに……」
 ナティ、最後まで聞かず、
ナティ「その子は、あなたの子よ」
シェシェ「え!?」
ナティ「あなたが育てるのよ」
 ナティ、声をひそめ、シェシェに耳打ち。
ナティ「いつまでも、妹だなんて言い張るつもりじゃないでしょ?がんばってね」
シェシェ「えぇ──っ!?」
 ひびくシェシェの声、聞き取れず首をかしげるゴリウス。
 ふたりを尻目に、ナティ、「じゃあね」と手を振って歩み去る。胸にはツァンの女児を抱いている。
 泣き出す男児、あわててシェシェが抱き上げると、とたんに泣きやむ。
 片腕の中年の男(アティ)現れ、ゴリウスを何かからかって笑う(セリフはなし)。
 笑い声とともに、空へパン。

ナレーション「帝国暦301年。チェリア朝アフネリア邦国、滅亡。
       言霊人(イシス)の歴史は終わり、神人(ホルス)たちの歴史が、幕を開ける──」



fin、とかend、ではなく、●●に続く、的な字幕(何にしよう)


gyokuei / 20070225-0312

脚本:ザラス「霊珠」第4話『永遠のザラス』第1稿
ストーリー
脚本:ザラス「霊珠」第4話『永遠のザラス』第1稿 脚本:ザラス「霊珠」第4話『永遠のザラス』第1稿
霊珠blog
脚本:ザラス「霊珠」第4話『永遠のザラス』第1稿

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