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脚本:ザラス「霊珠」第3話『暁に溶ける絆』第1稿
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またまた間が空いてしまいまして申し訳ありません。250日祭の前にはあがりました、やれやれ。
またぞろ、プロットと違う感じになってますが、ま、そんなもんでしょう。
用語や人称の不統一を直したら、とっとと絵コンテ書きます。

注! 思いっきりネタバレ含みますので、
アニメ作品だけ楽しみたい人は、読まないでください。

制作過程を楽しみたい人は、ぜひ、お読みください。↓




霊珠第3話「暁に溶ける絆」


人物

ガル=イリル(20、男)次期天務卿。特務隊長。術法の天才。赤と青の霊珠を率いる。
ブロス=エクスタ(20、男)マクエーク都護。ガルの軍学校時代の友人。風と天(雷)の霊珠を率いる。
トゥア(4)ガルの部下。赤の霊珠。人工知性体。炎の能力をもつ。
ルア(4)ガルの部下。青の霊珠。人工知性体。水と空間操作の能力をもつ。
リー(0、男)ブロスの部下。風の霊珠。人工知性体の少年。
ジュン(0、女)ブロスの部下。天(雷)の霊珠。人工知性体の少女。
炎務卿(52、男)アフネリア支軍統帥。現在、霊珠計画の全貌を知るのは彼ひとり
カナ=エクスタ(当時16、女)前封務卿。ブロスの親。歌姫。
ラーン・アティウス(当時21、男)ゴリウスの兄。20年前のメール族代表の戦士。
天務卿(41、男)ガルの父親。術法開発担当。
ファーブ(外見14、4、男)ヴィン=ヴィランのデータからつくられた複製知性体。諜報員。
シーリィ(不詳)ハーリーティ・ミムの端末と名乗る謎の少女。
ミィン=ラアト(19、女)ガルの幼なじみ。ガルに近づくため看護士になる。
イー・アクザン(17、男)竜の戦士の息子。独立軍の形式的指導者
ラーン・ゴリウス(23、男)メール族代表の戦士。
ユード・ナティ(24、女)ツァン族代表の女戦士。
シェシェ(13、女)ゴリウスの妹。本名シェリカ。


{その他}
帝国兵たち
ギズィー・リウナ(女)独立軍戦士
独立軍戦士たち

幼い頃のガル(7、8)
幼い頃のブロス(7、8)
ガル・ブロスの同級生たち(7)



◆アバンタイトル

○シーン01 マクエーク付近。神人の村が遠く見おろせる、丘の上の洞窟。

 どーん、どーんと聞こえる爆発音。(ブロスの隊が村を攻撃している音)
 森の向こうにある村から煙が立ちのぼるのが見える。

     × × ×
 丘の上にある洞窟に潜む独立軍戦士達。
 洞窟の中、ばちばちと木のはぜる音。炎に照らされる岩肌。
 息を殺していた戦士達、(難を逃れたことを悟り)いっせいに安堵の息をつく。

リウナ「さすがね、鷹の羽」
 銀髪の女戦士(ギズィー・リウナ)、ナティを振り返って声をかける。
 ナティ苦笑しながら。
ナティ「尻尾を巻いて逃げろ、と言っただけよ。褒められる謂われはないわね」
アクザン「いや、助かった」
 アクザン、洞窟の奥の方から明るい方へ歩きながら、ナティに声をかける。
アクザン「村を襲ったのは、あの紺色の髪の将軍だ。このところ、調子に乗ってるようだな」
戦士A「ああ、あの、イシスというより、むしろ……」
 戦士A、ゴリウスの方を見て、唇の端をあげて笑う。
 ゴリウスはブロスを見たことがないのでその表情の意味が分からない。眉をひそめ。
ゴリウス「んぁ?」

 と。
リウナ「静かに」
 一同いっせいに口をつぐむ。かさかさと、草をふむ軽い足音。
 丘の下から登ってきたのは(姿を見せたのは)シェシェ。
シェシェ「誰かー……誰か、いませんかー? 独立軍のひと……この辺に居るって……」
 顔を見合わせる戦士達。ひそひそと、密談。
リウナ「ナーラダの女の子ね」
アクザン「罠か?」
戦士A「いや。帝国はこういう手は使いませんよ」

ゴリウス「……まさか」
 ゴリウスは、声に聞き覚えがあるのでシェシェであることに気づき、洞窟の外へ走り出る。
 丘の上から見下ろすゴリウスと、坂の下のほうから見上げるシェシェ。
 シェシェの顔、ぱあっと明るくなり、
シェシェ「おにいさま……やっと会えた!」
 見守っていた一同、
独立軍戦士達「おにいさまぁ!?」
 ゴリウスは眉をひそめ、
ゴリウス「……シェシェ!!」
 (なんでこんなところに来たのかと、怒りと戸惑い。)怒鳴りつける。




◆OP



◆Aパート


○シーン02

 地下牢?の中、磔にされたカナのイメージカット。

     × × ×
 10年前、スイモミスク軍学校の教室。

子どもたち「半蛮族、半蛮族……!」
 ブロスを蹴りつける子どもたち。ブロスは頭を抱えてうずくまる。
 口々に浴びせられる罵声。
子ども1「おまえのせいで、父さんは死んだんだ!」
子ども2「どうしてここにいるんだよ! 出てけよ!」
子ども3「消えちまえ! 目障りだ、半蛮族!」
 そこへ、
ガル(幼少)「やめろ!」
 凛然とかけられた声に戸惑う子どもたち。
 キラキラと後光を背負ってガル登場。
ガル(幼少)「力に訴えるのは、蛮族のやりかただろ。君たちの嫌いな」
 顔を見合わせる子どもたち。逃げるように立ち去る。
 おずおずと顔を上げるブロス。
 ガル、一瞬ブロスと目を合わせるが、笑いかけるでもなく、そのまま立ち去る。
ブロス(幼少)「あ……ありがと……」
 ブロス、声をかけようとするがかけられない。
 ガルに向かって伸ばした手をひっこめ、ぎゅっと握りしめる。
ブロス(幼少)「ガル=イリル…次の天務卿……」
 ブロス、羨望のまなざし。
ブロス(幼少)「あれが、純血のイシス……」
 ガルの後ろ姿、黄金色の光に溶け、ホワイトアウト。

○シーン03 マクエーク城内、司令室

ブロス「まだ、行方は掴めないのか!」
 叫ぶブロス。帝国兵C、俯いて。
帝国兵C「申し訳ありません。手を尽くしてはいるのですが……」
ブロス「あたりまえだ!あれから何日経ったと……くそっ!」
 机を叩いて俯くブロス。
 帝国兵C、一礼して部屋を出る。
ブロス「ガル……いったいどこに……?」

 2話の回想。シェシェを庇うガル、憑かれたような目。


ミィン「……か、節下」
 ブロス、はっと気づき、顔を上げるとミィンが立っている。
ブロス「君は……たしか、ガルの」
 ミィン頷く。

ミィン「……ガルが、すべてを忘れてしまったなんて」
 ミィン首を横に振り。
ミィン「絶対に、嘘」
ブロス「嘘?」
ミィン「たしかに、私のことは忘れてるかも。でも……あの子たちを見て、わかったの」
 ルアとトゥアのカット。
ミィン「あの子たちは……霊珠は……」
 1話の平和だった頃のガルとジルのカット。
 はっとするブロス。
ミィン「お願い。取り戻して、ガルを」
ブロス「……ミィン」
ミィン「できないとは言わせないわ。だって、私が会えなかった間ずっと、ガルの側にいたのは、あなたでしょう?」
ブロス「……それは」
ミィン「絶対に、取り戻してね、ブロス=エクスタ……」
 ブロス、強く頷く。ミィン、意味ありげな笑い。

○シーン04 邦都、炎務卿の部屋

 壁に映し出された、天務、炎務、仁務、カナの20年前の映像。(集合写真風)
 そのとなりに、炎務の娘と息子の映像。
 どちらもノイズがひどく、チラつき、今にも消えそうな状態。

     × × ×
 ブロス、炎務卿に向かって呶鳴るように。
ブロス「霊珠とは、いったい何なのですか。ガルは……たしかに甘いところはあったが、戦場で敵味方を見誤るほどじゃなかった。すべては、あの日──」
 1話から、フルコールの塔のカットと、霊珠を手に入れるカット。
ブロス「あの日、あの2体を手に入れてからだ……!本当に、あれは……霊珠は……」
 2話から、ブロスの言うことにいちいち反抗するルアとトゥア、のカット。
ブロス「ただの兵器なのですか……!?」
 睨み付けるブロスと、視線をまっすぐ受け止める炎務卿。
 ややあって、炎務卿、息をつき。
炎務卿「会ってみるかね、彼女に」
ブロス「……彼女?」
 炎務卿、ふりかえり。
炎務卿「すべての霊珠の源だ。君には、その資格がある」
ブロス「俺は、純血のイシスじゃない。資格なんて……」
 炎務卿、遮って。
炎務卿「君の望みは何だ、ブロス君?」
ブロス「ガルを助けたい。……目覚めさせてやりたいんです」
 炎務卿、笑って目を閉じ。
炎務卿「ならば、きっと会える」
 通り過ぎる風のイメージでシーン切り替え。

○シーン05 スイモミスク、封務邸、20年前、夜

 月の光に照らされた、夜の封務邸。青のイメージ。広々とした庭の中、あずまやというか神殿ぽい建物がある。
 月のアップから、静かな波一つたたぬ池の水面へ、
 建物をなめるようにパンしながら、歌うカナの全身、ついで顔アップへ。
 カナの歌っている歌の歌詞(仮)
カナ「そよぐ風よ 伝えよ 永い時を越え
 語り尽くせぬ こんなにもたくさんの物語
 私は歌う この声枯れ 身体、砂に溶けるまで
 けれど──」

     × × ×
 ガサガサと、草をわける音。
 カナ、ふりかえる。
 封務邸に潜入していたラーン・アティウス(ゴリウスの兄、以下アティ)、ばつが悪そうに頭をかきながら立ち上がる。
 カナ、驚きもせず、平然と、穏やかに。
カナ「あなたは、誰?ひょっとして、蛮族のかた?」
 アティの方も、身構えるでもなく、少し表情を崩して笑って。
アティ「蛮族か。あんたたちは、そう呼んでるみたいだな」
 カナ、首をかしげる。
カナ「では、何と……?(呼べばいいの、を略)」
 アティ、進み出て、カナの手をとり。
アティ「我らは、神人(ホルス)だ。神を奉じ、神に仕える人間──俺の部族は、山の神に仕える『メール族』」
カナ「メール……族の、かた」
 カナ、首をかしげるようにしてアティを見つめる。
 目線の先にあるのはアティの剣。
 アティは剣の柄にひじをかけた、緊張感のない姿勢。
カナ「私を殺しにきたのではないの?」
アティ「いや」
 アティ、明快に首を横に振って笑い、
アティ「ただ、見てみたかっただけだ。俺の敵が…封務卿が、まさかこんな」
 アティ片膝をつき、カナの手をとって口づけ。ここではじめて、カナ、驚いて目を見開く。
アティ「可憐な少女だったとはね」
カナ「おかしな方……」
 見上げるアティと、見下ろすカナの視線が交錯。
 風吹きぬけ、池の水面に波紋広がる。

     × × ×
 走る帝国兵たちの足。
 「侵入者だ!」「蛮族!」「逃げたぞ!」「こっちだ!」
 足音、剣戟。
 やがて、帝国兵(守備隊長?)現れ、
帝国兵A「封務卿。不埒者は退治しました。御身はご無事ですか?」
カナ「ええ……」
 心ここにあらず(というか普段通り)のカナ。
カナ「あら……?」
 カナ、アティの切り落とされた腕が落ちているのを発見。
 帝国兵A、あわてて駆け寄って拾おうとするが、その前にカナ、腕を拾い上げる。
帝国兵A「カナ様、そのようなもの……はっ」
 アティがカナの手に口づけするカット挿入。
 カナ、目を細めて腕を見、手首にはめられた腕輪に口づけ。
カナ「ほんとうに……おかしな方……」

○シーン06 ハーリーティ・ミムの分岐ゲート
 青い空間。ふにゃふにゃと水のようなゆらめき。
 ノイズの中から現れる?ブロス。光の輪をくぐるようなイメージ。

ブロス「……潜航、か。軍学校以来だな。操作系がずいぶん変わっている……」
 ハーリーティ・ミムの中だが、ガルの時と違って多少整備されている。
 タッチパネルのような石版のような端末装置が浮いている。
ブロス「登録と、認証……認証だな。ブロス=エクスタ」
 ブロスが名前を言うと、自動的に文字が入力され、認証音(チリーンという音)が発される。
ブロス「これは……?」
 認証後、メニューが一番下にひとつ追加される。
ブロス「霊珠の、リスト……4件? 赤と青の他にも、霊珠が存在するというのか?」
 ブロス、それを選択しようとするが、アクセス拒否画面が出、ブブーッとそれっぽい音が鳴る。
ブロス「俺の権限じゃ、無理か。そりゃそうだな……」
 炎務卿の部屋での会話を思い出すブロス。
炎務卿「……会ってみるかね、彼女に」
ブロス「彼女とやらに会うには……これか?」
 ブロス、それっぽいボタンを押すと、端末消え、扉が現れる。
 扉開き、あふれ出る白い光と羽根。ブロス、白い光にのみこまれる。

○シーン07 ガルーダ・ミム[ガル]

 ブロスの記憶。フルコールの塔、9年前。
 ガルが記憶を消され、軍学校に復学した直後。
ブロス(幼少)「何も……覚えてないって?」
ガル(幼少)「うん……」
 俯くガル。
ガル(幼少)「すごく大きな寐床(ペーレ)の中に寝かされてて……その前のこと、全然思い出せないんだ」
 ガル顔を上げ、頼りなさげにブロスを見つめる。
ガル(幼少)「ブロス……だったよね。何か知らないか、俺のこと」
ブロス(幼少)「ガル……」
 1話アバンの「あの事件」のイメージ。
 3話シーン02の、ブロスを助けるガルと、ガルに向かって伸ばしたブロスの手、のカット。
 ブロス、軍章を外し、コイントス。
 ガル、思いがけぬ動きにびっくりして目を見開くが、すぐに意を察し、
ガル(幼少)「表」
ブロス(幼少)「残念、裏だな」
 ブロス、ガルに笑いかける。
ブロス(幼少)「無理に思い出さなくても、いいんじゃないかな。……一緒に行こう、ガル。
 俺も、見つけなきゃいけないものがある。それを教えてくれたのが、君だ」
ガル(幼少)「……!」
 ガル、ブロスを見上げ、頷く。ブロス、笑って。
ブロス(幼少)「まずは、俺の1勝だ」
 舞い落ちる羽根で、画面切り替え。

○シーン08 ガルーダ・ミム[カナ]

 地下牢?の中、磔にされたカナ。
 ブロス、見上げる。
ブロス(幼少)「ははうえ……」
 そっと手を伸ばすが、遠くてとてもとても届かない。
 手をひっこめ、唇をかむブロス。
ブロス(幼少)「ははうえがそこにいるの、やっぱり、俺のせいなの……かな……」
 ブロスの頬を涙が流れ落ちる。
ブロス(幼少)「聞きたいよ、ははうえの、歌……」

カナ「聞きたいの、ブロス?」
 ブロス、頷いてから、
ブロス(幼少)「あ……」
 はっとして顔を上げる。
 ブロスのすぐ目の前にしゃがみこみ、見下ろしているカナ(の、幻影)。
 後光きらきらしている。静かに降り積もる羽根。
 カナ、ブロスに頷き、微笑む。
カナ「あなたは、私の未来。私が望んだから、あなたが生まれたの」
 カナ、ブロスをそっと抱きしめる。目を見開くブロス。
カナ「腕輪、してくれてるのね。それは、私との、約束の証よ……」
ブロス(幼少)「はは……うえ……?」


 
○シーン09 ガルーダ・ミム[シーリィ]

 ブロス、はっと目を開ける。
 カナの幻影と羽根消え、ハーリーティ・ミムの最初の空間と同じ背景に。
ブロス「……何のつもりだ!!」
 ブロス、ばっと振り返ると、背後に居るのは青のシーリィ。
ブロス「悪趣味な……!!」
 勝手に心を覗かれた怒りと屈辱に震えるブロス。シーリィは静かに。
シーリィ「それは、あなたが失ったもの」
ブロス「!!」
 目を見開くブロス。ガルとカナの静止映像挿入。
シーリィ「取り戻したいと願うもの」
ブロス「俺が、取り戻したいもの……」
 再び映る、ガルとカナ。
ガル(映像)「ブロス。一緒に、帝国を守ろう」
カナ(映像)「ブロス。あなたの、未来を……」
ブロス「ガル……母上……」
 ブロス、正面にいるシーリィを見上げ、
ブロス「それが、霊珠だというのか……?」
 頷くシーリィ。
 ブロス、両手を大きく横に広げる。
ブロス「ならばその力……手に入れる!」
 羽ばたくようにとびあがるシーリィ。(opのカット?)
 渦をまく風のエフェクトと、飛び散る羽根。
 ガル・カナの映像、それぞれ消え、リーとジュン(の形をした光)に切り替わる。
ブロス「リー!」
 形なし、羽根とびちるリー。
ブロス「ジュン!」
 形なし、羽根とびちるジュン。
ブロス「待ってろ……必ず、取り戻す!」



◆Bパート

○シーン10 アフヌマ湖のほとり

 湖のほとりに佇むガル、ルア、トゥア。
 突然空が暗くなり、稲妻光りだす。
ガル「む……?」
トゥア「何?」
ルア「くっ……!」
 ガルの前に立ちふさがる、ルア、トゥア。
 一陣の強風舞い、ルア、トゥア、ガル、それぞれ顔をかばい足を突っ張って立つ。
 ルア、トゥア、デジタルノイズっぽいエフェクトとともにその場から消える。
 風おさまり、ガルが目をあけると、誰もいない。
ガル「トゥア……ルア?」

     × × ×
トゥア「隊長、すごい風で……」
 顔をあげ、振り返ると、ガルの姿がない。
 青っぽい空間。トゥア、左右を見回す。
トゥア「あれ?隊長?……ルア? ここ、どこ?」
 がさっ、という砂をふむ足音に、振り返るトゥア。
 土煙の中から歩いてくるルアの姿。
トゥア「……ルア?」
 シャキン、と右手が剣に。後じさるトゥア。
トゥア「ルア……何を?」
 高く飛び上がるルア。トゥア、大きく目を見開く。
 トゥアの顔アップ。顔に落ちる影、迫る刃がトゥアに達する寸前、画面切り替わり。

     × × ×
ルア「……?」
 同じく、ルア以外誰もいない。黄色っぽい空間。
ルア「隊長……トゥア……?」
 首をかしげるが、すぐ自分の手の甲の宝石を見る。
 浮かぶ文字。何やら分析している風のエフェクト。
ルア「異空間……? 私と同じ力だ……」
 はっと身をかわすと、頬をかすめる炎の矢。
 髪の毛が数本、焼けて散る。
ルア「ああっ……!」
 目を見開くルア、おそるおそる攻撃元を見ると、そこにいるのはトゥア。
 瞳にハイライト無く、無表情。
ルア「トゥア……?どうして……」
 答えず、手を前に出すトゥア。炎の砲撃。
ルア「んんっ……!」
 ルア、両手を開いて構え。防御の氷の壁を構築。
 トゥアの攻撃はじかれて散る。
 と、地面を蹴って壁の内側へ突入するトゥア。
 ルア、右手を剣に変えるものの、戸惑いから攻撃できない状態。
ルア「どう…なってるんだ……トゥア、隊長……!」

     × × ×
 ガル、例の金色の網状のアレを展開。トゥアとルアの居場所を探す。
ガル「おかしい……近くに居るはずなのに……これは?」
 金網上の別の場所に表示された某データのグラフ?を見ながら、ぶつぶつ呟く。
ガル「異空間……?ルアが展開したのか?に、しては……ルア、状況を説明してくれ。……ルア?」
 通信モードに切り替えて通信しようとするが応答はなし。
 ノイズのような音が帰ってくる。
 ルアに通信したつもりがリーに通信をかけており、スクランブルがかかっているので通話できない……というような状況。
 で、リーの能力に干渉したために、トゥアとルアの閉じこめられている異空間および
 リー、ジュンの偽装にノイズが生じる。
 パキッ、という音と共に結界の一部がはがれ落ち、外の世界が見える。
 卵の殻がひび割れたようなイメージ。
ルア「あ……!」
トゥア「あれっ?」
 それぞれ、斬り結んでいる/対峙している相手がトゥア/ルアでないことに気づく。
トゥア「よくも……騙したな!」
ルア「そうと分かれば……!」
 異空間のほころびに向けて攻撃する。異空間結界、二つとも溶けて消える。


○シーン11

 シーン10のつづき、通常空間に戻るトゥア、ルア、リー、ジュン。
 リー、ジュンは基本形態に戻る。
 驚くガル、ルア、トゥア。
トゥア「ああっ……!」
ルア「お前たちは……まさか、我々の…弟妹!?」
ガル「霊珠……なのか?誰の……」
 ブロス、夕陽を背負って姿を現す。
ブロス「俺だよ、ガル」
ガル「ブロス……!?これはっ……どういう……」
ブロス「見ての通りだ。悪いが、壊れてもらうぞ。……リー」
リー「はい」
ブロス「ジュン」
ジュン「はい」
ブロス「赤と青の霊珠を壊せ」
 手を挙げて号令すると、二人ともに光に包まれ、
 コード:アシュラ発動して一瞬で戦闘形態に。襲いかかってくる。
トゥア「うわっ」
ルア「隊長!」
ガル「コード:アシュラ!」
トゥア・ルア「コード:アシュラ!」
 トゥアとルアも戦闘形態に。
 ぶつかる、青と赤の光 vs 黄色と青緑の光。
 平野全体を俯瞰して、巨大な力が発生し一体を球状に覆う、の絵。

     × × ×
 ブロス、ガル、それぞれ剣を起動させエネルギー球消滅まで身を守る。そのまま剣撃に。(opと一部共用)
 ブロス、ガルと剣を合わせながら叫ぶ。
ブロス「ガル!剣を収めろ! 君と戦う気はない!」
ガル「ブロス……どうしてこんなことを! 君だって、知ってるだろ!」
 2話Aパート頭、3人で歩くガル、ルア、トゥア。
 ブロス頷き、
ブロス「ああ、知ってるさ。だから」
 ルア、トゥアに向かって技を放つリーとジュン。
ブロス「必ず……倒す!」
 ガルを押し返し、はねとばす。

     × × ×
 ルア、氷の防壁でリーとジュンの技を防ぐ。
 その隙にチャージしていたtトゥアの砲撃。しかしあっさりかわされる。
トゥア「……強い」
 舞うように雷を放つジュン。
ルア「うわっ」
リー「くっ」
 ルアにダメージいくがついでにリーにも命中。
ルア「味方がいても、おかまいなしか!」
 リー、ルアの直上にとびあがり、直滑降で剣を突き立てようとする。
 ルア、2本の剣を1本にして変形させ、攻撃を受け流そうとするが、
 リーの狙いはルアではなく、ガル。
 受け流された勢いのまま、水平にまっすぐ、剣を向かわせる。
 同時にジュンが雷の球をチャージ完了。ガルに向けて放つ。

     × × ×
 ここから、スローモーションな世界。
ブロス「はっ!!!」
 と、目を見開く。
 ガルに向かっていくリーの剣、ジュンの雷球。
 甦るシーリィの言葉。
シーリィ「それは、あなたが失ったもの」
ブロス「何故……」
 激しく首を横に振るブロス。
シーリィ「取り戻したいと願うもの」
ブロス「違う……俺は!」
ミィン「記憶からつくられた、望みを叶える力」
ブロス「俺はこんなこと、望んでない!……くっ!」
 ガルを救おうと駆け寄るブロス、しかしルアとトゥアにはブロスの意図はわからない。
トゥア「隊長……!」
 叫ぶトゥア、放たれる火球。
ルア「このっ……!」
 トゥアの火球、ジュンの雷球を貫いて消滅させたあとブロスを射抜く。
 ルアの2本の剣、リーとジュンを斬り裂く。
 リー、ジュン、羽根となって散り、ひび割れた霊珠の原形のかけらが落ちる。
ガル「ブロス……!!」
 ゆっくりと倒れ、地面に叩きつけられるブロス。

○シーン12

ガル「ブロス……ブロス!!」
 動揺し、ブロスの肩をつかんで揺さぶるガル。ブロス、うっすらと瞼をあげる。
ブロス「……ガル」
 揺れる視界、ガルの顔アップ(ブロス視点)。ガルの瞳アップ。人間でなく、霊珠仕様の瞳。
 ハーリーティ・ミムの分岐ゲートの端末で見た、霊珠:4体 の表示を思い出すブロス。
 ブロス、空を仰ぐ。
ブロス「ああ、そうか。……君は、違うんだな」
ガル「ブロス?」
 ブロス、軍章でコイントスしようとするが、苦痛で腕が上げられない。
 ガル、軍章を受け取り、投げ上げる。青空をバックに回転する軍章、受け止めるガル。
ブロス「いつから、失ってたのかな。取り戻したいもの、か……。でも、本人でなきゃ、意味がないだろ……」
ガル「ブロス、何を言ってるんだ?」
ブロス「気づいてないなら、いいんだ」
 ガルの背後から太陽の光差し、金色に輝く。幼少時、助けてくれたときのイメージ、かぶる。
 ブロス、ガルに手を伸ばす。ガル、その手を握りしめる。ブロス、力なく笑う。
ブロス「……ありがとな、ガル。本人に会ったら、もう一度、言うよ……」
 がっくりと息絶えるブロス。
ガル「ブロス!?……ブロス……!!」
 リー、ジュンの2つの霊珠の破片、粉々に砕けて光の粒になり、消える。




◆ED



◆エピローグ

○シーン13
 シーン12の続き。

 ルア、顔を上げて、ガルに向かって。
ルア「逃げましょう。ぼくらはもう、帝国には戻れません」
ガル「逃げる……何から? 俺は、裏切ったんだ。国を……友を……すべてを。殺されても当然じゃないか……」
 そこへ、唐突に現れるミィン。
ミィン「……ガル!!」
 顔をあげるガル。
 ミィン、走ってきたためハァハァと息を切らせている。
 ルア、トゥア、ミィンに刃をつきつけるがミィンは歩調をゆるめず、歩み寄りガルの手をしっかと掴む。
ミィン「ガル……捕まえた。もう二度と、離さないよ」
ガル「……ミィン=ラアト……?」
ミィン「一緒に行こう、ガル。どこでもいいの。あなたと一緒なら……」
トゥア「僕も行くっ!」
 割って入るトゥア。ルアも頷き、
ルア「私も。…我々を生んだのは帝国ではなく、あなたですから」
ガル「トゥア……ルア……」
 少しずつ、目を細め、笑みをつくるガル。

○シーン14 邦都スイモミスクの情報管理室

 激しく画面切り替わる。どーん。
炎務卿「こんな結末を迎えることになるとは……本当に、残念だ」
 天務卿顔を背ける。
天務卿「どうにも……ならないのでしょうか」
炎務卿「ブロス君に無理だったものを……もはや、誰にも止められまい。天務卿、鍵を」
 天務卿、首を横に振る。炎務卿、呆れ顔で。
炎務卿「我々が生み出してしまった力だ。始末はつけねばなるまい。鍵を、渡したまえ」
 天務卿、のろのろと鍵をファーブに差し出す。
 天務卿を見上げ、躊躇するファーブ。
炎務卿「ファーブに命じる。霊珠2体を凍結せよ」
 ファーブ、炎務卿の言葉に頷き、光の滝の中に鍵を差し込む。
ファーブ「コード:シャリヤーティ、発動。凍結対象、霊珠1、霊珠2」
 収縮するような激しい光のエフェクト。画面ホワイトアウト。
ファーブ「凍結を確認しました」
 ファーブの声、次のシーンにかぶるように。

○シーン15 

 シーン13のつづき。
 急に苦しみ出すルアとトゥア。
ルア「うわああああああ……!」
トゥア「ああああああ……! か、身体がっ!?」
ガル「トゥア!ルア! これは、いったい!?」
 ルアとトゥアの身体、明滅し溶け始める。
 ガル、二人を抱きとめようとするが、手が透けて掴めない。
 ルア、苦しげに状況説明。
ルア「帝国のすべての端末に備えられた凍結コマンド……それが、発動されたようです。逃れるすべは、ありません……」
ガル「そんな……!」
 ミィンは目を丸くして立ちつくしている。
ルア「隊長……やっぱり、一緒には行けないみたいです。どうか……ご武運を」
トゥア「消えたくないよ……隊長、助けて……!」
ガル「待て……待ってくれ!お前たちまで……!」
 ガルに向けて伸ばした手消え、2体とも宝珠の形に戻って草の上に落ちる。
 ガル、呆然。草に膝を落とし、叫ぶ。
ガル「ルア……トゥア……っ!!!」
 ガル自身も草の上に倒れる。

     × × ×
 風吹き抜け、なびく草。丘の上から下へ、気配を感じて見下ろすゴリウス(と、シェシェ)。
ゴリウス「あれは……」
 丘の下の方、倒れているガルとガルを抱きかかえるミィンが目に入る。驚愕するゴリウス。
ゴリウス「ガル=イリル……あいつ、生きていたのか……!!」




◆第3話としては、予告は無し。(予告ムービーはあとで別に作る)

霊珠最終話「永遠のザラス」2007年12月公開予定。


 →4話に続く


gyokuei / 20060421-0130

脚本:ザラス「霊珠」第3話『暁に溶ける絆』第1稿
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脚本:ザラス「霊珠」第3話『暁に溶ける絆』第1稿

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