霊珠第4話アフレコ台本 20070815版

gyokuei
2007年08月16日 13:27 投稿

作品>霊珠ｂｌｏｇ> ストーリー

150日祭 | すべての記事 | 2007/8/17

・現時点での本編セリフあつめたやつです。
・作画と曲の都合で多少変更になる可能性あります。
・声優募集時のサンプルボイス用のセリフは、こっからいくつか＋新規に考えます。

↓ということで、

ファイルサイズ： 20974 バイト(20.48 kb)（＝改行を含む半角文字数、元のテキスト）
総セリフ数： 189
キャラクター数： 24 人

 ◆シーン01 　邦都スイモミスク。内部深くの牢。
◆シーン02 　ガルの居る村近くの転送門出口。
◆シーン03 　湖西地区、ナーラダのどっかの村のぼろい家。
◆シーン04 　ナーラダの村付近の温泉（全年齢対象）
◆シーン05 　アシュラ・ミム[シーリィ]
◆シーン06 　ナーラダの村の家の中。
◆シーン07 　ナーラダの村付近。
◆シーン08 　邦都スイモミスク。
◆シーン09 　湖底都市ティイセニラ
◆シーン10 　ナーガ大神殿。
◆シーン11 　メール族の村・イリス。

キャラ毎のセリフリスト

炎務卿 天務卿 ブロス ガル ゴリウス リウナ シェシェ ナティ ミィン シーリィ キセラ ウェフ ファーブ 戦士達 戦士Ａ アーク ルア トゥア ディク アクザン ナーガ信者達 ムラガ メール族の赤子 ナレーション

アフレコ台本　2007年8月15日版

霊珠第４話　永遠のザラス

人物

ガル(20)次期天務卿。術法の天才にして特務隊長…の、複製知性体。赤と青の霊珠を率いる。
炎務卿(52)アフネリア支軍統帥。霊珠計画の全貌を知る唯一の人間
トゥア(4)ガルの部下。赤の霊珠。人工知性体。炎の能力をもつ。
ルア(4)ガルの部下。青の霊珠。人工知性体。水と空間操作の能力をもつ。
ディク(0)炎務卿の部下。闇（重力）の霊珠。人工知性体の少女。
アーク(0)炎務卿の部下。光の霊珠。人工知性体の少年。
天務卿（41)ガルの父親。術法開発担当。ファーブを放ったことで投獄される
ファーブ（4）ヴィン＝ヴィランのデータからつくられた複製知性体。
シーリィ(不詳)帝国のあらゆるミムの人格端末。謎の少女。
ミィン＝ラアト(19)ガルの幼なじみ。
ラーン・ゴリウス(23)メール族代表の戦士。
ユード・ナティ(24)ツァン族代表の女戦士。
シェシェ(13)ゴリウスの妹。本名シェリカ。
ギズィー・リウナ（女）独立軍戦士。吟遊詩人で女剣士
イー・アクザン(17、男)竜の戦士の息子。竜の神官。独立軍湖西地区の形式的指導者
サド・ムラガ（37、男）独立軍戦士。もと竜の戦士の腹心で、アクザンの後見人

｛その他｝
ブロス＝エクスタ(20、男)ガルの軍学校時代の友人。３話で死亡
カナ＝エクスタ(当時16、女)前封務卿。ブロスの親。歌姫。
ラーン・アティウス(当時21、男)ゴリウスの兄。20年前のメール族代表の戦士。
キセラ＝タウア　炎務卿の、亡くなった娘。
ウェフ＝タウア　炎務卿の、亡くなった息子。
独立軍戦士たち

◆アバンタイトル

▽次のシーンへ　　 ↑もくじへ

※シーン01 に登場する人物
炎務卿 　 天務卿 　

○シーン01　邦都スイモミスク。内部深くの牢。

　暗い牢の中、うずくまる天務卿。
　鉄格子の外、石の扉が開き、ゴゴゴ、と重々しい音とともに天務卿の背中の方から光がさす。
　歩み寄るのは、炎務卿。詰問調で、
炎務卿「ファーブを何処へやった？」(W01-001)

　誰もいない邦都情報室のイメージカット。

　天務卿、答えない。炎務卿、首を横に振り、
炎務卿「最後にひとつ、選ぶがよい。我に力を貸すか？それとも……指をくわえて、滅びを待つか」(W01-002)
　天務卿、力なく笑う。
天務卿「あなたはいつもそうだ。選べるはずもないものを、私に……」(W01-003)
　炎務卿、たまりかねて叫ぶ。
炎務卿「甘ったれるな、天務卿！」(W01-004)
　炎務卿、天務卿を侮蔑と悲しみのまなざしで見つめる。
炎務卿「もとより、我ら七家議にはひとりの父親であることは許されておらん。この期に及んでなお、己の名から逃げると言うか！」(W01-005)
　天務卿、動かない。
　炎務卿瞑目し、
炎務卿「ユオザ＝イリル……」(W01-006)
　静かに、天務卿の名をつぶやく。
天務卿「はっ（息をのむ）」(W01-007)
　天務卿、炎務卿の顔を見上げる。
　炎務卿、唇をゆがめてかすかに笑い。
炎務卿「……さらばだ」(W01-008)
　言うなり、背を向け、扉の向こうへと歩み去る。どーんと、重い不吉な音とともに扉が閉まる。
　牢、闇に閉ざされる。

▽次のシーンへ　　 △前のシーンへ　　 ↑もくじへ

※シーン02 に登場する人物

○シーン02　ガルの居る村近くの転送門出口。

　どこかの門の出口から、こっそり出てくるファーブ。
　手を開くと、霊珠の鍵、キラーンと光る。
　ファーブ、鍵をぎゅっと握りしめ、決然と顔をあげ、走り去る。

◆OP

◆Ａパート

▽次のシーンへ　　 △前のシーンへ　　 ↑もくじへ

※シーン03 に登場する人物
ブロス 　ガル　 ゴリウス 　

○シーン03　湖西地区、ナーラダのどっかの村のぼろい家。

　ぴくっと動く、ガルの手。
　にじむ視界。明るい方を見ると、窓枠に誰か座っている。
ブロス「気がついたか、ガル？」(W03-001)
　ブロスの優しい声聞こえる。
ガル「……ブロス！」(W03-002)
　しかし次の瞬間、視界くっきり。居るのはブロスではなく、ゴリウス。
ガル「あ……」(W03-003)
　失望の表情をするガル。
　ゴリウス、嫌そうな顔。剣の柄をしっかり握ったまま離さず、警戒している。
ゴリウス「お前の女が助けてくれって言うから引き取ったんだが？　文句あるなら帰れ」(W03-004)
　ガルの方は、状況がのみこめていない。
ガル「助ける……？俺を？……はっ」(W03-005)

　３話の回想。
　倒れるブロス、ガルを見上げて何か言っている。目をみはるガル。がくりと息絶える、ブロス。
　消えていくルアとトゥア、転がる霊珠原形。
　入れ替わるように、榻の脇の机におかれた霊珠原形の現在の映像に。

ガル「そうだ……俺は、ブロスを……っ！」(W03-006)
　苦悩の表情でうつむき、唇を噛むガル。
　ゴリウス、足を崩して、
ゴリウス「最初のときも間違えたよなぁ」(W03-007)

　２話、月をバックにゴリウスのシルエット、
ガル「ブロス！」(W03-008)
　と叫ぶ、の回想。

ゴリウス「そんなに似てるか？」(W03-009)
　ガル、うつむいて。
ガル「親友だった……」(W03-010)
　と言ってから、思い出して、顔を上げて。
ガル「……半蛮族、と言われてた」(W03-011)
ゴリウス「半蛮族。片親は神人（ホルス）っか……まてよ」(W03-012)
　３話の、アティとカナのカット挿入。
　ゴリウス、ニヤリとして。
ゴリウス「母親は、青の歌姫か」(W03-013)
ガル「前封務卿だ……何故知っている？」(W03-014)
　ゴリウス、はじけるように笑い出す。
ゴリウス「あっはっは……そうだったのか！似てるはずだ！そいつぁ、俺の兄貴のガキだぞ！あはははは」(W03-015)
　ガルには何がおもしろいのかさっぱりわからないので、憮然とするが、
ガル「ん……」(W03-016)
　ガル、机上にあった軍章に気がつく。軍章を手に取り、投げあげ、手で受け止めて、ゴリウスに差し出す。
　ゴリウス笑いをおさめ、首をかしげて。
ゴリウス「なんだ。酒か、女か？どっちだ？」(W03-017)
　ガル、しょんぼり。軍章を引っ込めてうつむく。
ガル「やっぱり、ブロスじゃない……」(W03-018)

▽次のシーンへ　　 △前のシーンへ　　 ↑もくじへ

※シーン04 に登場する人物
リウナ 　 シェシェ 　 ナティ 　 ミィン 　

○シーン04　ナーラダの村付近の温泉（全年齢対象）

　たぷん、と水音、木々の間をたちこめる湯気。女性３人が天然温泉に浸かっている。
リウナ「ぁー、極楽。ナーラダの生み出した贅沢の極みよね～」(W04-001)
　と、リウナ。行儀悪く、湯の上に突き出した、白い足。
シェシェ「えー？メールにもありますよ？温泉」(W04-002)
　シェシェ。きょとんと、リウナのほうを見る。
　ナティ、岸へ歩み寄る。左胸が大写しに。
　その胸に、＜鷹の羽＞のふたつ名の由来となった、翼のような傷跡。
リウナ「鷹の羽……なるほどね……」(W04-003)
　初めて見たリウナは、感心したようにつぶやく。
　ナティはリウナは気にせず、岸に上がり、
ナティ「あなたも入りなさい」(W04-004)
ミィン「え？」(W04-005)
ミィン「きゃあああっ！」(W04-006)
　ナティ、ミィンの服をはぎとる。
ミィン「何するんですかっ！」(W04-007)
ナティ「何って、お風呂。……脱げないわね、これ」(W04-008)
リウナ「言霊人（イシス）は……お風呂につかる習慣はないのよね？」(W04-009)
　リウナが口をはさむ。シェシェ、首を傾げて、
シェシェ「じゃあ、身体洗わないんですか？」(W04-010)
　ミィン、うつむいて。
ミィン「ペーレに入らないと、外れないの。これは、もう１枚の皮膚だから……」(W04-011)
　寐床（ペーレ）のイメージ映像。
ミィン「私たち言霊人（イシス）がこれを貼り替えるのは、あなたたちがものを食べるのと同じなの」(W04-012)
リウナ「ふうん」(W04-013)
　シェシェ、気づいて、はっとする。
シェシェ「食べるのとおんなじ……じゃあ、このままだと、ミィンさん……」(W04-014)
ミィン「死ぬわね」(W04-015)
　ミィンはあっさりと言う。
リウナ「ん！（息をのむ）」(W04-016)
シェシェ「はっ！（息をのむ）」(W04-017)
　ナティ、眉をひそめて。
ナティ「敵の心配するのも、おかしな話だけど。あなただけでも、戻った方が」(W04-018)
ミィン「私はいいの」(W04-019)
　ミィンはにっこりとほほえんで言う。
ミィン「世界はどうせ、滅びるの。だから、ガルと一緒にいるの」(W04-020)

▽次のシーンへ　　 △前のシーンへ　　 ↑もくじへ

※シーン05 に登場する人物
炎務卿 　 シーリィ 　 キセラ 　 ウェフ 　

○シーン05　アシュラ・ミム[シーリィ]

　人魂みたいな赤い炎のかけらがちらちら浮いている不思議空間。
　突っ立った炎務（の精神体）、目を開ける。正面にはじめから居る、赤のシーリィ。
　（分岐ゲートとか操作パネルといったものは何も出ない）
　炎務卿、不審げに、
炎務卿「問わぬのか、“霊珠０（ゼロ）”……『お前は何者であるのか』──と」(W05-001)
　シーリィは無表情に、
シーリィ「必要ありません」(W05-002)
炎務卿「ぬ」(W05-003)
　炎務卿、首をかしげる。
シーリィ「あなたは、帝国を守る者」(W05-004)
炎務卿「うむ。そうだ」(W05-005)
　炎務卿頷く。
シーリィ「望むのは、帝国を守る力」(W05-006)
炎務卿「うむ」(W05-007)
シーリィ「ほんとうの、願いは……！」(W05-008)
　言いながら、両手を大きく広げるシーリィ。
炎務卿「はっ……！」(W05-009)
　炎務卿、目を見開く。
　シーリィの左右に１体ずつ、ウィイイイン、みたいな効果音とともに現れるキセラ（娘）とウェフ（息子）の映像。
　キセラの映像は炎務卿に笑いかけながら、
キセラ「父上……」(W05-010)
　ウェフの映像は顔をそむけながら。
ウェフ「……」(W05-011)
　炎務卿、目をとじ、うつむく。、
炎務卿「我が霊珠は、やはりお前たちか……」(W05-012)
　炎務卿、ばっと顔をあげ、おもむろにキセラの映像の胸のあたりに手をつっこみ、
炎務卿「ディク！」(W05-013)
　同様に、ウェフの映像に手をつっこみ、
炎務卿「アーク！」(W05-014)
　炎務卿、珠をとりだす。ディク（左手）が黒、アーク（右手）が白。炎務卿、自嘲の笑みをうかべて。
炎務卿「お前達に渡すはずだった……これが、未来だ」(W05-015)

▽次のシーンへ　　 △前のシーンへ　　 ↑もくじへ

※シーン06 に登場する人物
ゴリウス 　ガル　 ファーブ 　 戦士達 　

○シーン06　ナーラダの村の家の中。

　シーン03の家。

　ファーブ、扉を開ける。と同時に、室内と背後から同時に剣を突きつけられる。
　正面にいるのは、ゴリウス。剣をつきつけたまま、
ゴリウス「何の用だ。軍人ってナリじゃねぇが」(W06-001)
　ガル、ゴリウスの後ろから、
ガル「ヴィン＝ヴィラン！？亡くなったはずじゃ……」(W06-002)
ファーブ「いいえ」(W06-003)
　ファーブ動じず、手をあげて害意のないことを示しながら、
ファーブ「私は紫の霊珠、ファーブ」(W06-004)
　ファーブ、うなだれて
ファーブ「……ヴィンでは、ありません」(W06-005)
　ゴリウスの合図で、他の戦士達は剣をおろす。ゴリウスだけファーブのうしろから剣をつきつけたまま。
　ファーブ、ガルのほうへ歩く。
　ファーブ、鍵を取り出し、ガルの手に置く。
ファーブ「天務卿が、あなたへと」(W06-006)

　ファーブの回想へ。

ファーブ「天務卿！　私は……っ、ヴィンではない。それは、……彼も、同じだ！」(W06-007)
　天務卿、びくっとする。天務卿が見つめるモニタには、神人の村の戸外でぼうっと佇むガルの姿。
　ファーブ、続ける。
ファーブ「彼を救ったところで、あなたの気休めになるだけ……あのときのヴィンの想いさえ、裏切るというのですか？」(W06-008)
　天務卿、無言で顔をそむける。

　回想終了。ファーブ、目を開け、
ファーブ「特務隊長殿、この、鍵は……」(W06-009)
　と言ったところで、どーんという音。
　村はずれの家が爆発炎上。ディクの攻撃による。
　騒然とする戦士達。
　ゴリウス、ファーブに突きつけた剣を持ち上げる。
ゴリウス「……謀ったか！」(W06-010)
戦士達「何だっ！？」(W06-011)
戦士達「敵襲！？」(W06-012)
　ファーブ、ゴリウスには何も言わず、涼しい顔のまま。
　ガルを振り返って、
ファーブ「貴方への追っ手です。……急ぎましょう」(W06-013)

▽次のシーンへ　　 △前のシーンへ　　 ↑もくじへ

※シーン07 に登場する人物
ゴリウス 　 戦士Ａ 　 アーク 　ガル　ルア　 ファーブ 　 トゥア 　 ディク 　 炎務卿 　

○シーン07　ナーラダの村付近。

　シーン06の家から出て、大きな岩山のかげに身を潜めているガル、ファーブ、ゴリウス、戦士数人。
　ガルは２話ででてきたのと同じ金色の光の網を展開。ファーブはその中に一緒に入って鍵の解析をしている。
　ゴリウス、戦士達、外の様子をうかがいながら。
ゴリウス「おい、ガル……霊珠は、まだ使えんのか？」(W07-001)
　剣に手をかけているゴリウスに、戦士Ａが声を掛ける。
戦士Ａ「村人が戻ってなくて、よかったっすねー。あれを見て俺たちに協力する馬鹿、いませんよ」(W07-002)
　ゴリウスため息をついて、
ゴリウス「まったくだ」(W07-003)
　そこへ突然光がさす。戦士Ａ目をかばい、ゴリウスは剣を抜く。
戦士Ａ「……っ！！」(W07-004)
ゴリウス「……っ！何だ！？」(W07-005)
　光の中から現れたのは、アーク。
アーク「……見つけた」(W07-006)
　声と同時に襲い来る、白い光の矢。
戦士Ａ「うわっ……！」(W07-007)
ゴリウス「くっ……！！」(W07-008)
ガル「……ファーブ！」(W07-009)
　ガルの声をうけて、ファーブ、例の鍵を投げ上げる。鍵は強烈な光を放つ。
　光が消えて現れるのは、ルア、トゥア。ルア、振り返り、
ルア「早く逃げろ、蛮族」(W07-010)
戦士Ａ「？」(W07-011)
ゴリウス「！」(W07-012)
　戦士Ａ、ゴリウス、顔を見合わせる。ファーブ、
ファーブ「来い」(W07-013)
　と言って戦士達を誘導して去る。
　トゥア、自分の手を見て喜び、
トゥア「ああ……隊長……また、会えた……！」(W07-014)
　ガルを振り返って笑う。
ガル「うん」(W07-015)
　ガル、笑って頷くが、表情を厳しくし、
ガル「……来た」(W07-016)
　見上げると、アークとディクが宙にうかび、こちらを見下ろしている。

　　　　　×　×　×
ディク「初めまして、裏切り者のかたがた。そして──さようなら」(W07-017)
　ディク、マントの端をつかんで、あおるようにひるがえす。大きな衝撃波が岩山をおしつぶし、
　ディク自身とアークを除く全員が吹っ飛び、地面にたたきつけられる。
　ガル、身体を起こしながらつぶやく。
ガル「ずいぶん丁重な挨拶だな……」(W07-018)
　そこへアークの光の矢が襲来する。
ルア「させるかっ！」(W07-019)
　ルア、起き上がって防壁を築く。トゥア、防壁の外に走り出て、アークに向かって砲撃する。
　ガル、霊珠たちの戦いを見上げながら、
ガル「一体……誰の霊珠なんだ」(W07-020)
　と、右から足音。
炎務卿「ガル君」(W07-021)
　ガル、激しく驚愕。振り向き、
ガル「……！！！」(W07-022)
　立ちすくむ。歩み寄る炎務卿。沈痛そうに眉をしかめ、複雑な表情をして。
炎務卿「久しいな。……いや、初めまして……か」(W07-023)

◆Ｂパート

　　　　　×　×　×
　激しくぶつかり合う白と黒と、青と赤の光とびかう。空をバックに、炎務とガル。
炎務卿「本人と話したかったのだがな……君でもよい。今となっては、どうせ叶わぬ」(W07-024)
ガル「よく、わかりません」(W07-025)
　ガル、空を見上げる。
ディク「はあっ！」(W07-026)
　怒りをあらわに立ち回るディク、応戦するルア、トゥア。表情を変えず矢継ぎ早に攻撃を放つ、アーク。
ガル「何故、こんなことになったんでしょう。俺は、帝国を裏切るつもりなんて、一度もなかった。なのに何故、こんな」(W07-027)
　炎務卿ため息をついて、
炎務卿「わからんだろうな。……無理もない」(W07-028)

　１話、＜あの事件＞のイメージ。

炎務卿「あのとき記憶を失った君は、判断のよるべき筋をもたない。刹那の感情の積み重ねが、今の事態だ。それは……他の霊珠にも、言える」(W07-029)
　炎務卿、剣を抜く。ガル、怯む。１歩、２歩とさがって、叫ぶ。
ガル「あなたに向ける剣など、持ち合わせていない！」(W07-030)
炎務卿「ならば、霊珠を呼びたまえ」(W07-031)
　炎務卿、ふいに表情をゆるめ。
炎務卿「本当の望みは、彼らが答える」(W07-032)

　　　　　×　×　×
トゥア「隊長！」(W07-033)
ルア「隊長殿！」(W07-034)
　ほとんど同時に叫ぶ二人。
　ルア、ガルのもとに戻ろうとするが、アークが回り込んで剣刃をうけとめ、防がれる。
　トゥアがガルの元へ降下しつつ、炎務卿に砲を向けると、ディク、激しく動揺する。
ディク「待ちなさいっ！！」(W07-035)
　闇球を煙幕に変え、トゥアの視界をさえぎる。
トゥア「うわっ！」(W07-036)
　あわてて煙幕を避けるトゥア。

　ディクは炎務卿のもとへ、トゥアはガルのもとへ、それぞれ舞い降りる。
　立ちすくんだまま、動けないガル。
　ガルの傍らで、炎務卿に狙いをつけているトゥア。
　ガルに剣を向けているが、その前にディクが割り込んだため動けない炎務卿。
　炎務卿をトゥアの砲撃から庇う位置で、手を広げて立つ、ディク。

　ガル、悲しげな表情をして、
ガル「もう、やめましょう。我々が争う理由なんて、ない。……トゥア」(W07-037)
　砲撃をやめさせようとトゥアを見るが、トゥアは、じっと炎務卿を見つめ、いつでも撃てる体勢をキープ。
炎務卿「ははは……」(W07-038)
　と、低く笑う。
炎務卿「君を討つか、君に討たれるか。どちらかしか、ない。……ディク」(W07-039)
　ディク、動揺する。
ディク「嫌ああっ！」(W07-040)
　ディク、叫びながら、そのままの位置でトゥアに向けて闇球を放つ。トゥアも炎球放ち、２つの力がぶつかりあう。
ルア「はっ」(W07-041)
　ルア、あわてて舞い戻り、防壁を展開、ルア自身とガルとトゥアを覆う。
　アークは──あえて、空中から座視。
　闇球と炎球の反発作用で、ものすごい爆発が一帯を覆う。やがてそれが収まると、
　ガル、ルア、トゥアはルアの防壁に守られて無傷。
　ディク、アークもたいしたダメージ無し。
　炎務卿のみ、もろに爆発に巻き込まれてずたぼろ。どさっと、倒れる。
ディク「ああああっ！！！」(W07-042)
　ディク、振り返って息をのむ。
ガル「炎務卿！」(W07-043)
　ガル、倒れた炎務卿の傍らに駆け寄る。
ガル「どうしてこんな……」(W07-044)
ディク「アーク！」(W07-045)
　ディク、アークの首元をつかみ、くってかかる。
ディク「防げたはずよ！どうして……っ！」(W07-046)
　アークは淡々と、
アーク「我々は、本当の願いを叶えるもの」(W07-047)
ディク「はっ」(W07-048)
　ディク、はっとする。
　炎務卿、苦しい息の下から、つぶやく。
炎務卿「本当の願い……そうだな……」(W07-049)
ガル「俺は……どうすれば？」(W07-050)
　ガル、頭を抱える。
ガル「俺が討たれるべきだったのに……！」(W07-051)
炎務卿「彼女に……会え……」(W07-052)
ガル「はっ……彼女……？」(W07-053)
　ガル、炎務卿の口元に耳を寄せる。炎務卿の声はガルにだけ聞こえる。（セリフとしては、入れない）
ガル「……シーリィ、ですか？」(W07-054)
　炎務卿の答えはない。
　同時に、ディクとアーク原形に戻り、砕けて散る。

▽次のシーンへ　　 △前のシーンへ　　 ↑もくじへ

※シーン08 に登場する人物
ゴリウス 　 天務卿 　

○シーン08　邦都スイモミスク。

　陥落後の邦都。
ゴリウス「これが、俺たちを支配してた帝国か？　頭を失うと、脆いもんだな……」(W08-001)
　ゴリウス、足早に歩いている。破壊された建物、生気を失った目で捕縛されている帝国兵や、座り込んでいる一般の言霊人を横目に見つつ、門のむこうへ。

　ゴリウス、牢の前に到達。
ゴリウス「……ん？」(W08-002)
　扉越しに中を見ると、長髪の男がうずくまるように座っている。
　ゴリウス、ガルを思い出す。（イメージ映像、かぶる）
ゴリウス「ガルの……父親か？」(W08-003)
　その瞬間、天務卿、ばっと身体ごと振り向き、すごい剣幕で叫ぶ。
天務卿「……！　教えてくれ、ガルは、どこに」(W08-004)
　ゴリウス、不快そうに眉を寄せて。
ゴリウス「七家議ってのは、王族じゃねぇのかよ。敵将にまず聞くのが、裏切り者の息子の安否？　どういう了見だ、天務卿？」(W08-005)
　天務卿、俯いて、
天務卿「……だから、私はここに居る」(W08-006)
　ゴリウス、首を横に振って、侮蔑のまなざしを投げかける。
ゴリウス「ガルは、湖の底に行ったはずだ。ここには、来ない」(W08-007)

▽次のシーンへ　　 △前のシーンへ　　 ↑もくじへ

※シーン09 に登場する人物
ガル　 ファーブ 　 シーリィ 　 ゴリウス 　 トゥア 　ルア　 炎務卿 　 アクザン 　

○シーン09　湖底都市ティイセニラ

　シーン08のゴリウス＜ガルは、湖の底に～＞のくだりから、映像はこちら。

　ティイセニラ柱塔に乗り込み、下っていくガルと霊珠たち。
　扉が開くと、最深部。
ガル「こんなところがあったなんて……」(W09-001)
ファーブ「ここが、全ての霊珠の源」(W09-002)
　光の幕を通り抜けると、ミムの中。神殿のような場所。
　ガル、顔をあげて、
ガル「シーリィ」(W09-003)
　見上げると、白のシーリィ。
ガル「帝国軍特務隊長、ガル……」(W09-004)
　言いかけるが、シーリィ
シーリィ「違う」(W09-005)
　と、遮る。
ガル「え……？」(W09-006)
　と驚いて顔を上げる。シーリィ、微笑んで。
シーリィ「違う。本当の願いを……」(W09-007)
　と言いかけるが、突然空間が赤く染まる。響く警告音。
ガル「何だ！？」(W09-008)
シーリィ「本国より警告。避難勧告。この島は……アフネリアは、１日後に完全破壊されます」(W09-009)

　邦都のどこかの情報端末室に居るゴリウス、非常灯で赤く明滅する空間で、
ゴリウス「何だぁ、こりゃ？」(W09-010)

　異変を察知して、ファーブ、トゥア、ルアの３人も飛び込んでくる。
ファーブ「特務隊長殿！」(W09-011)
トゥア「隊長っ！」(W09-012)
ルア「隊長どの、これは……！」(W09-013)
　シーリィ白、静かに継げる
シーリィ「霊珠百体の起動」(W09-014)
ファーブ「！！！！！」(W09-015)
トゥア「！！！！！」(W09-016)
ルア「！！！！！」(W09-017)

　スイモミスクが爆破されるイメージ。
シーリィ「すべての帝国施設を破壊し──蛮族による技術の持ち出しを阻止します」(W09-018)
　マクエークかどこかの技術系のおへやでふんぞり返っているリウナと、囚われの帝国兵のイメージ。

ガル「帝国の民まで、皆殺しにする気か？だいたい、なんで今……！」(W09-019)
　ファーブ、ガルの背後から歩み寄り、
ファーブ「アフネリア統帥──炎務卿が討たれたからでしょう」(W09-020)
　ファーブ、シーリィの居る光の滝に手をかざして、
ファーブ「それを知って、あの方は……」(W09-021)

炎務卿「彼女に、会え……」(W09-022)

ファーブ「帝国を亡くし、言霊人（イシス）の誇りを捨てて、生き延びるか……それとも、ここで死に絶えるか……選べと」(W09-023)
　シーリィ、ほほえみながら。
シーリィ「おしえて……あなたは、誰……？」(W09-024)

　　　　　×　×　×
　ファーブ、周囲の海域を分析し、海の結界の構築ポイントを列挙している。
　ガルの術で光の屑が降り積もり、トゥア、ルア、ファーブの３体の安置される台をつくっていく。
　トゥア、舞い降りる光のつぶを掌に受けて、ガルの方を向いて微笑む。
トゥア「なつかしい感じがする……」(W09-025)
　ルア、笑って頷く。
ファーブ「海の結界、構築開始します」(W09-026)
　金色の光のつぶ、降るの止み、霊珠の安置台が光る。

　トゥア、台に上り、原形の赤い珠に戻る。
　ルア、台に上り、原形の青い珠に戻る。
　ファーブ、ガルを振り返って口を開きかけるが、すぐに向き直り、台に上る。
ガル「ファーブ……？」(W09-027)
　ガル、手を伸ばそうとするが、ファーブは原形の紫の珠に戻る。
ガル「……お前達だけを、犠牲には、させない」(W09-028)
　ガル、台の真ん中に立つ。
　しかし、トゥア、ルア、ファーブ達とまったく同じように、人形が解かれはじめたのに気づいて、あわてて目を開く。
ガル「……っ！！これは……どういうことだ！？」(W09-029)
　手の先、足の先から、言霊語のかけらと化していく自分の身体を見つめるガル。
　しかしやがて、顔を上げて、笑う。
ガル「ああ、そうか……」(W09-030)

　２話Aパート、がくりと首を垂れ、息絶えるガル。
　２話Bパート、アンシュマット＝ミムのなかで再構成される、ガルの身体。

ガル「俺も……霊珠だったんだな……」(W09-031)
　つぶやくと共に、身体完全に散り、金色のエネルギー体現れる。
　４つの霊珠、共鳴するように同時にゆらめき、まばゆい光放つ。

　　　　　×　×　×
　島の中央、湖から八方へ散って延びる、光。
　島側から海のむこうへ、凄い勢いで走る光の帯。
　海がふたつに割れ、その向こうにいる霊珠軍団吹っ飛ぶ。（精密描写はなしで、すごい爆発）

　　　　　×　×　×
　ゴリウス、スイモミスクの屋外で空を見上げている。
　シェシェ、ナティ、イリスの屋外で空を見上げている。
　リウナ、マクエーク？の部屋から外を見ている。
　アクザン、アフネリア北方の海岸。霊珠たちが一掃されるのを見ている。
　白い光あふれ、まぶしさに手をあげる。
アクザン「……！！！」(W09-032)
　そちらを見つめたまま、ホワイトアウト。

　海の結界の描写。

◆エピローグ

▽次のシーンへ　　 △前のシーンへ　　 ↑もくじへ

※シーン10 に登場する人物
ナーガ信者達 　 リウナ 　 アクザン 　 ムラガ 　

○シーン10　ナーガ大神殿。

　アクザン、新衣装（司祭服）
　ひっきりなしに訪れる信者たち。
ナーガ信者達「竜の司祭！竜の司祭！」(W10-001)
　礼拝されているのは、アクザン。戸惑っていると、リウナの声。
リウナ「お久しぶりね」(W10-002)
　アクザン、ほっとして、
アクザン「……リウナさん」(W10-003)
リウナ「この島を救った英雄にしては、不景気な顔」(W10-004)
　アクザン、僕の功績じゃないのに、と苦笑して、
アクザン「はは……」(W10-005)
　と、足音近づき、
ムラガ「竜の司祭。演説のお時間です」(W10-006)
アクザン「うん」(W10-007)
　アクザン頷き、群衆のほうへ振り返る。
ナーガ信者達「わああああああああ！」(W10-008)
　大歓声。

△前のシーンへ　　 ↑もくじへ

※シーン11 に登場する人物
シェシェ 　 ナティ 　 ゴリウス 　 メール族の赤子 　 ナレーション 　

○シーン11　メール族の村・イリス。

　ゴリウスの故郷、海沿いの村、イリス。　
　ナティと、シェシェ、ゴリウス、二人の赤子（ナティとゴリウスの子）。
シェシェ「ナティさん……本当に、行っちゃうんですか？」(W11-001)
ナティ「帰るのよ」(W11-002)
　ナティ、振り返って。
ナティ「私はツァン族の戦士。役目は、一族を導くこと。帝国が亡くなったこれからが、本当の戦いよ」(W11-003)
　大人達から、二人の赤子のアップへと切り替わり、
ナティ「世界はよくできてるわ。ツァン族とメール族の双子。私と、この男と……一人ずつ分け合えってことよね」(W11-004)
　照れたような微妙な表情をしつつ言う、ゴリウス。
　シェシェ、憤激する。
シェシェ「そんな……っ！お父さんとお母さんと兄妹……みんな一緒がいいに決まってますっ！仲が悪いわけでもないのに……」(W11-005)
　ナティ、最後まで聞かず、
ナティ「その子は、あなたの子よ」(W11-006)
シェシェ「え！？」(W11-007)
ナティ「あなたが育てるのよ」(W11-008)
　ナティ、声をひそめ、シェシェに耳打ち。
ナティ「いつまでも、妹だなんて言い張るつもりじゃないでしょ？がんばってね」(W11-009)
シェシェ「えぇ──っ！？」(W11-010)
　ひびくシェシェの声、
ゴリウス「んあ？」(W11-011)
　聞き取れず首をかしげるゴリウス。
ナティ「じゃあね」(W11-012)
　と、手を振って歩み去る。胸にはツァンの女児を抱いている。
メール族の赤子「ふがふが、ぎゃーーーーー」(W11-013)
　泣き出す男児、あわててシェシェが抱き上げると、とたんに泣きやむ。
　片腕の中年の男（アティ）現れ、ゴリウスを何かからかって笑う。
　笑い声とともに、空へパン。

ナレーション「帝国暦301年。チェリア朝アフネリア邦国、滅亡。
　　　　　　　言霊人（イシス）の歴史は終わり、神人（ホルス）たちの歴史が、幕を開ける──」(W11-014)

　To the next stage...の、字幕。

▼次の人物へ　　 ↑もくじへ

炎務卿のセリフ一覧 (セリフ数: 27 )

炎務卿「ファーブを何処へやった？」(W01-001)
炎務卿「最後にひとつ、選ぶがよい。我に力を貸すか？それとも……指をくわえて、滅びを待つか」(W01-002)
炎務卿「甘ったれるな、天務卿！」(W01-004)
炎務卿「もとより、我ら七家議にはひとりの父親であることは許されておらん。この期に及んでなお、己の名から逃げると言うか！」(W01-005)
炎務卿「ユオザ＝イリル……」(W01-006)
炎務卿「……さらばだ」(W01-008)
炎務卿「問わぬのか、“霊珠０（ゼロ）”……『お前は何者であるのか』──と」(W05-001)
炎務卿「ぬ」(W05-003)
炎務卿「うむ。そうだ」(W05-005)
炎務卿「うむ」(W05-007)
炎務卿「はっ……！」(W05-009)
炎務卿「我が霊珠は、やはりお前たちか……」(W05-012)
炎務卿「ディク！」(W05-013)
炎務卿「アーク！」(W05-014)
炎務卿「お前達に渡すはずだった……これが、未来だ」(W05-015)
炎務卿「ガル君」(W07-021)
炎務卿「久しいな。……いや、初めまして……か」(W07-023)
炎務卿「本人と話したかったのだがな……君でもよい。今となっては、どうせ叶わぬ」(W07-024)
炎務卿「わからんだろうな。……無理もない」(W07-028)
炎務卿「あのとき記憶を失った君は、判断のよるべき筋をもたない。刹那の感情の積み重ねが、今の事態だ。それは……他の霊珠にも、言える」(W07-029)
炎務卿「ならば、霊珠を呼びたまえ」(W07-031)
炎務卿「本当の望みは、彼らが答える」(W07-032)
炎務卿「ははは……」(W07-038)
炎務卿「君を討つか、君に討たれるか。どちらかしか、ない。……ディク」(W07-039)
炎務卿「本当の願い……そうだな……」(W07-049)
炎務卿「彼女に……会え……」(W07-052)
炎務卿「彼女に、会え……」(W09-022)

霊珠第4話アフレコ台本 20070815版

コメント

ツッコミ・感想・情報などありましたらどうぞ